ジョルジュ・バタイユ『有罪者 無神学大全II』

晴。

ロザリン・テューレックの弾く、バッハのゴルトベルク変奏曲 BWV988 を聴く。あまりにもしんどい。気息奄々でくたばりそう。テューレックもバッハも巨大すぎる。ちょっと休憩します。

J.S.BACH: the Well

J.S.BACH: the Well

 

ジョルジュ・バタイユ『有罪者 無神学大全II』読了。江澤健一郎訳。いや、ヘタレ人文系としては、おもしろかったです。これから仕事で先ほど「黒豚カップカレー焼きそば」を食していたような自分が、「乳房の裸性、性器の猥雑さには、少女のお前が、なにもできず、夢見ることしかできなかったことを実行する美徳がある」も何もないものだが。浅田さんはバタイユに戦慄したことなどないと仰られており、まあ戦慄したかはともかくバタイユがおもしろいとかは浅田彰以前なのではあるが、別にそんなに貶さなくてもよくね? ちなみに浅田さんは、三島由紀夫バタイユより頭がよいことは明らかであろうとも仰っておられたな。さて、現代社会はバタイユ的なのであるか。我々がゲームにとち狂っているのは生の痙攣だろうか。ネット画像の鮮明な性器は、蕩尽なのであろうか。さてね。自分にバタイユがわかる筈もないのだが、それでもバタイユを参照して我々の姿が理解できるということはないものなのだろうか。ヘタレ人文系でなくとも、バタイユくらい読んでおいてはいかがかと。意外と、そんなに簡単じゃないと思いますよ。自分もまだまだわかっていない。いや、もっと頭がいいといいなと思う。
 なお、本文庫版は訳注の気合の入り方がすごい。訳者解説も、かかる書物のそれとしては例外的に中身が濃くて、とても参考になった。いい本だと思います。