世界の名著『プロティノス / ポルピュリオス / プロクロス』

雨。


バッハのフランス組曲第一番 BWV812 で、ピアノはマレイ・ペライア。この曲のピアノによる演奏の選択肢があまりない。リヒテルは録音していないしグールドのは聴きすぎた。シフは手癖があってイヤ。で色いろつまみ食いすると、結局ペライアかなと。CD だとガヴリーロフなんかもいいのだけれど。ペライアも、じつをいうと装飾音は気になるので、できればない方がうれしかったのだが。結局オリジナルよりよくなることはないという。

フランス組曲第二番も色いろ聴いたのだけれど、どの動画も全部途中で切れているのだもの。何故?

自分にはさほど興味がないことなのだが、いまの日本は失業率は驚異的に低いけれど、どうしてこんなに賃金が安いのか、ちょっと疑問に思ってしまう。リフレ派の経済学者たちは「そのうち上がるよ」といってあまり関心をもっていないようだが。まあ「そのうちに」上がるかもしれないけれど、とにかくいまの若い人たちがオーストラリアや中国で働くようになりつつあるのは事実だ。日本よりはるかに余裕があるから。そんなに楽観視できることなのだろうか。いずれにせよ、自分などにはよくわからないことだし、どうしようもないことではあるけれど*1


『エネアデス』(抄訳)を読み終えた。論文集であるから抄訳でもいいのかも知れないが、全訳も読んでみたいものである。訳文のレヴェルは高いのではないか。ただ、有名な「流出」(ラテン語でエマナティオ)はこの訳書だと何に当たるのだろうか。気をつけていたつもりだが、よくわからなかった。

世界の名著『プロティノス / ポルピュリオス / プロクロス』読了。頑張って読みました。まあ、読んだだけですけれど。読み終えたあとに田中美知太郎氏他による解説を読んだが、これは役に立った。索引を見ると、「発出(流出)」の語は本抄訳版では一箇所以外、ほとんど出てこないようである。プロティノスはエジプト人という説もあるが、彼の活躍する主要な舞台はローマである。三世紀のひと。49歳から執筆活動を始め、66歳で病を得て(癩病だったともいう)死んだと伝えられる。著作の内容について自分が語るべきことはない。この抄訳か全集版かどちらかで、もう一度読み直したいものである。たんなる哲学者というには、あまりにも中身が詰っている感じ。プロクロスもおもしろいのだが、この人は哲学者のイメージを外れることはない。ただ、プロティノスを「神秘主義者」の一言で片付けてしまうわけにもいかない。井筒先生の『神秘哲学』を読み返したい。

世界の名著 15 プロティノス・ポルピュリオス・プロクロス (15)(中公バックス)

世界の名著 15 プロティノス・ポルピュリオス・プロクロス (15)(中公バックス)

*1:確かに雇用が改善すれば平均賃金が低くなるのは当然だ。たんなる自分の事実誤認かも知れない。