家族で長滝白山神社へ

休日(文化の日)。晴。


ブラームスのピアノ協奏曲第一番 op.15 で、ピアノはクリスティアン・ツィマーマン、指揮はサイモン・ラトルベルリン・フィル。ツィマーマンは真摯な優れた演奏なのだが、こういう演奏を退屈と思ってしまう自分は何なのだろう。忸怩たるものがある。ラトル+BPO はたんに一流の演奏というに過ぎない。

よい天気なので、家族で奥美濃の長滝白山神社へ行ってきました。
九時半頃に家を出て、各務原IC から東海北陸自動車道を北上。一時間ほどで白鳥IC で降りるつもりだったが、カーナビの情報で渋滞していることがわかったので、ひとつ手前のぎふ大和IC から一般道に。のんびりとした県道を走っていたら、景色のいいところにちょうど駐車できるようになっていたので車を停めてみる。じつによい天気の上に、紅葉が見頃。すっかり爽快な気分になる。長良川もきれい。とんびが頭上を旋回している。

国道156号を北上、まず「道の駅 白鳥」に入る。拡張工事中の小さな道の駅だが、車がひっきりなしに入ってくる。売っている農産物が安くておもしろく、色いろ買ってしまう。すぐとなりには「白山文化博物館」というのがあって、何故か今日は入館が無料。入ってみてよくあるような映像を見たあと、この地方の文化財の展示室はなかなかよかった。個人的には鎌倉時代の写実的な沙弥木座像(なぜかただの県重文)や、伝えられてきた能面がおもしろかった。
 そこから歩いて長滝白山神社へ。じつにのどかな田舎だ。まずはちょうどやってきた長良川鉄道の汽車を撮ったり、初めて見るよく知らない鳥(これがなかなか逃げないのだ)を撮ったり。鳥はうまく撮れませんでしたけれど。神社はとても立派なもので、今年で白山開山1300年ということだが、それでもとても往時のにぎわいはない。いうまでもないことだが、中部地方を語るのに白山信仰を欠かすわけにはいかないというものである。先ほどの博物館を見てもわかったが、白山信仰はまったくの神仏習合であり、神仏習合は日本独自の重要な文化形態のひとつであったものを、明治の廃仏毀釈が破壊してしまった。まったく愚かなことをしたものであるが、まあいまはそれを語る場所ではない。とにかくそういうことで長滝白山神社には仏像もあったのだが、もちろんいまは神社に祀るわけにはいかないので、それ専用の宝物殿がある。
 神社内は観光客はちらほらというところ。道の駅に来る人も、ほとんどはここには寄らないようである。地元の七五三の儀式をやっていた。本殿は明治の建築ということで、さほど古いものではない。あと、境内に立派なイチョウがある。宝物殿には釈迦三尊像、四天王など。ただし、保存のために照明が暗くしてあって、かなりみづらかった。




道の駅に戻って、おなかもすいたし、この先の「阿弥陀ヶ滝」へ行くか迷う。せっかくだからいこうということで、でもいまはまだ道の駅には何にもないので、ソフトクリームを食って腹の足しに。ベンチすらないので、そのあたりに勝手に腰掛けて食う。まったくのんびりしていて、日本は平和であった。
 「阿弥陀ヶ滝」は国道156号から県道314号に入り、くねくねとした細い道を 2km ほど行ってようやく着いた。しかし車を置く場所からさらに奥であり、老母の体調がまだ完全でないので迷う。なんとかいけそうということで、ゆっくりと 15分ほど歩いていったら、ありましたよ、すごいのが。予想以上の迫力で思わず声が出る。まあ、写真では全然わかんないのですが。落差 60mということで、東海地方一であるらしい。昔はここで修行したらしく、長滝白山神社の「長滝」というのは、たぶんこれのことだったのである。これは来てよかったねということになった。


さて帰ろうということで、美濃大和の「道の駅 古今伝授の里やまと」へ。ここがまた大変な混雑で、皆んなどこへ行くって、道の駅へ行くんじゃないだろうかという混雑。駐車スペースをやっとのことで見つけて、中で食事をする。僕は鶏ちゃん担々まぜうどんとかなんとかを食ったが、なかなかうまかった。で、別の店で地元の肉のホットドッグも食った。地元農産物のコーナーは多くが売り切れ。とかなんとかで結構楽しんで、帰路に。帰りは高速道路がずっと下り坂なので皆んな飛ばすのだよなあ。ああ、ひさしぶりに家族で遠出できて、楽しかったです。またそのうち行けるといいな。