クセノポン『小品集』

曇。


シューベルトピアノ五重奏曲イ長調 D667「ます」。


ヤナーチェク組曲「青春」(1924)で、演奏は Prague Wind Quintet と Petr Čáp。ヤナーチェクおもしろいな。これは木管六重奏のための曲。


ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第五番 op.24 で、ヴァイオリンは庄司紗矢香、ピアノはジャンルカ・カシオーリ。これはおもしろい「スプリング・ソナタ」だ。ユニークなのはピアノのカシオーリ。かつてポリーニの主催するコンクールで優勝して僕も CD をもっているが、最近どうしているのかはまったく知らなかった。というか、ここで見てようやく思い出した次第である。ゆっくりとしたテンポで抒情的であり、この曲の演奏としてはじつにゆるゆるな感じ。庄司紗矢香はこれに合わせているように聴こえるが、おかげでおもしろい演奏になった。スケルツォの冒頭など、こんなに遅くていいのかというような。いやしかし、やはり庄司紗矢香はすごい。いまいちばん天才を感じるヴァイオリニストで、僕はこの人の射程がどれほど遠くまで到達しているのか、よくわからないのである。この曲は庄司の天才が特によく発揮されるそれとはいえないかも知れないが、それでもさすがだ。このコンビ、もう少し聴いてみたい気がする。

昼前から雨になる。

Ubuntu 17.10 のリリースは10月19日の予定らしい。

テキストエディタで家計簿(?)をつけて Ruby で処理しているのだが、俺ってホント最近お金を使っていないのだなと呆れる。親に渡している生活費の他は本を多少買うくらいで、あとは時々ミスタードーナツへ行くとかしか使わないのだよな。旅行はしないし、外で食事もあまりしないし、映画は見ないし、音楽はこのところ You Tube ばかりだし、本も図書館が主だし。PC 遊びもゲームなどをするわけではないのでお金はかからない。お金が貯まってしようがない、というのはウソだけれど。安上がりな男だなあ。凡人である。

県図書館。ミスタードーナツ バロー市橋ショップに寄る。きなこ&あずきホイップ+ブレンドコーヒー399円。帰りにミスドへ寄っていこうかなと思いカーナビで検索してみたところ、県図書館のすぐ隣にあるバロー(岐阜のショッピングセンターである)の中にあることがわかって、これは好都合だった。傘を忘れたので駐車場から走る。クセノポンを読む。

ノーベル文学賞カズオ・イシグロだったらしい。『日の名残り』しか読んでいないが、これに関していえば特にどうということはなかった。まあ文学賞などというのは遊び・たわむれなので、いいとか悪いとかはまったく思わないが。他の作品はいまはそれほど読みたいとは思わないけれども、これもわからない。読むかもしれない。

クセノポン『小品集』読了。松本仁助訳。クセノポンはプラトンなどに比べるとどうしても軽くみられてしまうので、僕もついあまり読んでこなかったが(まだ『ソクラテスの思い出』も読んでいない)、読んでみるといつも悪くないと思う。本書は偽作一篇も含め八篇の比較的短い文章が収められていて、意外とおもしろかった。クセノポンは、古典作家の中ではよい意味で常識的な人だと思う。奇矯な主張はしない。しかし、筆は精彩を放つときがあり、岩波文庫にも入っている有名な『アナバシス』はとてもおもしろかった覚えがある。将軍クセノポンが小アジア地方から軍隊を生還させる次第を詳細に綴って、読んで飽きさせない。たしか映画にもなっている筈である。他の作品も京都大学学術出版会の「西洋古典叢書」で読めるから、図書館から借りてこよう。

クセノポン小品集 (西洋古典叢書)

クセノポン小品集 (西洋古典叢書)

それにしても「西洋古典叢書」のラインナップを見ているとワクワクする。『アッティカの夜』とかも読めるのだなあ(続巻は未定だが)。プリニウスとかも入らないかしらん。