晴。
シューマンの「暁の歌」op.133 で、ピアノはアナトール・ウゴルスキ。シューマンのほぼ最後の曲のひとつで、この曲を書いて五箇月後にシューマンはライン川へ投身自殺をはかった。謎めいた曲だとよくいわれ、自分は時々聴きたくなる。ウゴルスキは特異なピアニストで、ひっかかりを超えるとやみつきになるような魅力がある。大きな射程をもったピアニストであることは紛れもない。自分はスクリャービンのソナタを入れた CD など、とても好きだ。
バッハ(ブラームス編曲)の左手のためのシャコンヌ ニ短調で、ピアノはアナトール・ウゴルスキ。このドラマティックな曲を、弱音中心の、じつにさみしい感じで演奏している。これもまた感動的ではあるが、どこか不完全燃焼ともいうか。
シューベルトの三つのピアノ曲 D946 で、ピアノはスヴャトスラフ・リヒテル。リヒテルの(非正規)ライブ音源は既にとても聴き切れない量があるのだが、それでも録音されずに消えてしまった名演が山ほどあろうことは愕然とさせられる。こういう人は全コンサートを録音しておいて欲しかったと、無理なことを思う。しかしこの曲、第二曲の中間部のメロディは何なのだろうな。どうしてこんな音楽が生まれてしまうのか。いつも聴いてはメソメソしている。
ハイドンのピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI-34 で、ピアノはグリゴリー・ソコロフ。きれいな演奏だが、もっと耳障りな音の芯のようなものが欲しい。特に終楽章には失望した。この楽章はまるでベートーヴェンを先取りしたかのような勢いがある曲だが、ソコロフはモーツァルトのようにきれいに弾いている。意図的なのだろうけれど、がっかりさせられた。
何かロシアのピアニストばかり聴いたな。
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夜、仕事。雨。
PC 遊び。