晴。めずらしく霧が出ている。
音楽を聴く。■バッハ:組曲イ長調 BWV832(アンジェラ・ヒューイット、参照)。■レーガー:シャコンヌ ト短調 op.117-4、バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番 BWV1004 (庄司紗矢香、参照)。レーガーは題名を見てもわかるように完全にバッハを意識しているわけだが、なかなかすごいところまで到達している。これは庄司の演奏も後押ししている。だから、このアルバムのようにバッハと比較されてしまうのはどうかとも思う。ちょっとレーガーには不利なのではないだろうか。バッハはシャコンヌを含むパルティータ第二番である。庄司は思ったより抑制気味であるが、サラバンドあたりからエンジンがかかってくる感じだ。で、論じないわけにはいかないシャコンヌである。結論的に言うと、自分には最上のシャコンヌではない。けれどもそれは庄司のせいというよりは、もっぱらこちらのせいである気がする。言うまでもなくこの曲はバッハの最高傑作のひとつである。そこで、庄司は神がかった、鳥肌の立つような演奏の最中でも、楽々とギアを変えていく。こちらとしては驚くというか、何か聴いてはいけないものを聴く気がする。これまで何度も口にして気が引けるが、天才というしかないのである。深い余韻が残るというよりは、何だか戸惑わされた部分も大きい。しかし、これは繰り返し聴きにくい演奏だな。心臓に悪い。■ハイドン:オーボエ協奏曲ハ長調 Hob.VIIg-C1 (ラヨシュ・レンチェス、ネヴィル・マリナー)。
- アーティスト: Franz Joseph Haydn
- 出版社/メーカー: Capriccio
- 発売日: 1992/11/12
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
昼から県営プール。餃子の王将。
図書館から借りてきた、松浦寿輝『BB/PP』読了。短篇集。言葉の通俗的な意味でおもしろかった。僕は通俗も好きである。表題作は短すぎるのが残念なくらいだ。チープなSF的ガジェットをもっと配置して、ポルノグラフィックな描写を強くし、長さを増やせば、もっと素敵な小説になると思う。これを雛形に、長篇化してみてはどうかとすら思う。
他の短篇もなかなかだった。下らないのもあったが、記憶というものそのものをモチーフにした短篇が多く、作者のこだわっているところが察せられる。この人の著書はきらめくような純文学的受賞歴で覆われているが、もっとエンタメ化していいのではないか。おふらんすはつまらないと思う。それにしても、市図書館には松浦寿輝好きが居るのか、結構入っているのだよね。驚く。
- 作者: 松浦寿輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
デスマーチはなぜなくならないのか IT化時代の社会問題として考える (光文社新書)
- 作者: 宮地弘子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/11/17
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (2件) を見る