川上弘美『溺レる』

曇。
午前中は睡眠の後始末でオシマイ。ぼーっとね。
川上弘美『溺レる』読了。短篇集。いやあ、素晴らしくおもしろいではないか。それにしてもエッチな短篇たちですなあ。って性描写が過激だとか、そんなのではまったくないです。というか、セックスの話ばかり書いているのに、実際の行為を描写している部分は殆どない。本書の視点はすべて、女性からのものである。それはとりあえずは著者が女性だからだろうが、それにしても女性ってのはコワい。本書にはしっくりいき過ぎて尋常でなくやりまくっている男女がいくらか出てくるが、それを女性の視点から記述されると、マジおっかないですよ。短篇たちにはどれも著者のトレードマークである、一種の幻想っぽさがあるが、本書でもそれはとても効いている。著者にしか書けない愛欲ばなしであろう。それにしてもこえーわ。種村季弘の文庫解説がまた、おまけにしては贅沢すぎる。

溺レる (文春文庫)

溺レる (文春文庫)

本書は合わない人は絶対に合わないと思います。誰もが楽しめるわけではないでしょう。あしからず。