樽見鉄道阿房列車

もう読書と音楽とインターネットだけの生活に倦んでいて、我慢できなくなってきた感じで突発的に阿房列車してきました。ようやく暑い夏も終わって、出かけられる季節になってきたのだ。今日は空も秋めいてきた好天。
阿房列車するのは、以前から狙いをつけていた樽見鉄道である。岐阜県大垣駅から北へ、樽見駅まで 34.5km(Wikipediaより)19駅。片道ほぼ一時間というところか。
いつもどおり、JR那加駅(9:28)からJR大垣駅まで30分ほどである。樽見鉄道のホームはJRと共用で端っこの六番ホーム。ホームにある切符売り場で、まずは途中の本巣駅まで520円を買う。列車は一両ワンマンカー。
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大垣駅10:10発本巣行。しばらく東へ戻り、揖斐川を渡ってから北へ。阿房列車をするのは久しぶりなので、何だかいい感じである。美濃の山々がぐるりとある中、あたりは一面の富有柿の畑。秋めいた青い空が美しい。列車の中は15人くらいか。本巣行なので殆どが地元の人のようだ。こんな列車に、5歳くらいのよく動く子供を連れた若い母親の姿がなんだか印象的だった。
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本巣駅10:37着。後続の列車の到着まで30分以上あるので、駅付近を少し歩く。本巣は樽見鉄道の中では大きな駅だが、あたりは何ということもない田舎。本当に取り立てて何もない。梅英寺というお寺があったが、何かいわれでもあるのであろうか。ふつうの田舎を歩く。小腹がすいたなあと思っていたら地方のスーパー(トミダヤ本巣店)があったので、そこで旨くもないたこ焼き(オリーブ焼きとか云った)6個を買って食う。誰も見ていないテレビから、北朝鮮の核開発云々のニュースが流れていた。
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後続の列車が到着。これは樽見駅まで行く列車なので、乗客は今度はほぼすべて行楽客と思しい。一両編成は満員という盛況ぶりで、さすがにシーズンなのだ。年配の方々ばかりであり、まあ僕のような年齢層なら、こんな日こんな時間にここには居まい。
 本巣駅11:15発。ここからは車窓風景ががらりと変わる。ここまでは田園風景なのだが、ここから山地の中へ分け入っていくのだ。緑がじつにきれいだし、ずっと根尾川に沿って行くので渓谷美まで楽しめる。なるほど、大垣から30分でこれなら、かなりお手軽にローカル線の魅力を満喫できる路線というわけだ。のんびり車窓風景を眺めていると無意識が活性化され、だんだん頭がぼーっとしてきて、じつにこのために来たようなものである。しかし、本当にインターネットに浸かった生活をしているのだなと改めてわかり、驚かされる。頭の中でいろんなものが混じりだし、まさしくエネルギーの充電みたいなことをしているのを実感する。インターネットは頭だけの人工世界だけであってはいけないのだと思う。それにしても、生命力っていうのは不思議なものだ。どうして鉄道に乗るというのは無意識を刺激するのだろう。
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11:49終点樽見駅着。駅前はちょっとした広場のようになっている。この奥にある「うすずみ温泉」からシャトルバスが来ていて、多くの人がそれに乗って行った。しかしこの次は一時間半後だし、阿房列車なので乗ってきた列車にそのまま乗り、11:58引き返す。そういう人も(自分を入れて)四人いた。帰りも車窓を眺めたりしながら、ぼーっとほとんど瞑想状態みたいな感じ。何も考えないで一気に大垣まで、13:02着。920円。
 これで目的は達成。駅ビルのミスタードーナツで担々麺の遅い昼食を採り、三省堂書店を冷やかしたりしてJRに。那加駅14:25着でした。ああ、大袈裟に言うと、命の洗濯だったなあ。
おまけ。本巣駅付近。
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