加藤晴久『ブルデュー 闘う知識人』

晴。
古い XP機に Linux Mint Debian Edition(LMDE)を入れてある(参照)のだが、これ結構使えることがわかった。rbenv で Ruby が入れられるし、Bundler も使える。Gem は Nokogiri も Mechanize も GnuplotOpenGL も Green Shoes も入った。自作の野良 Gem もちゃんと入れられる。エディタは Gedit だけでなく、Geany も使える。Ruby 環境は自分には充分という感じ。XP機だと Ubuntu系統はつらいので、Linux Mint Debian Edition はお勧めできる。
 ただ、LMDE は日本語の情報がとても少ない。といっても今まで取り立ててぐぐる必要に迫られたことはないが、ややこしい問題が発生した時は日本語では苦しいかもしれない。英語の情報を頼ることになるだろう(って英語の方はまだ調べていないが。)インストールや日本語化は Linux Mint の日本語版公式ページで充分である。

加藤晴久ブルデュー 闘う知識人』読了。なかなかいい本だった。自分には猫に小判の感なきにしもあらずであるが。そもそも、僕はたぶんブルデューを読んだことがない。本書を読む限りでは、自分はハビトゥスを混乱させようとしているのかなと思った。まあしかし、そんなことはいい。そのうち機会があったら、ブルデューを読んでみようかな。

ブルデュー 闘う知識人 (講談社選書メチエ)

ブルデュー 闘う知識人 (講談社選書メチエ)

サールに拠れば、ブルデューはこう云ったのだという。「フランスではある本が真剣に受け止められるためには、一〇%ではだめで、少なくともその二倍、二〇%は、理解不可能な部分がなければ」と(p.155)。ちなみに、一〇%と言ったのはフーコーである。別にフーコーもたぶんブルデューも、彼らが悪いわけではないと思うが、それにしても辟易させられる話である。フランスの「知」ってのはこういうところがある。そして我々のような極東の小国のスノッブが、秀才の思想輸入業者たちの「解読」を必死に読んで、ありがたがるという風習があるのだ。「土人の国」(by 浅田彰)というのは悲しいものである。
本書でおもしろいのは、フランスの大物知識人たちが、お互いを思想的に殺害しようと言説というハンマーで殴り合っている姿の凄惨さが活写されているところである。ブルデューもハンマーを振り上げたり、あるいは無視して黙殺したり、エリートとしての大変な自負・プライドを隠そうとしていない。特に驚くべきことではないのだろうが、何だか嫌になってくるような。