近鉄養老線阿房列車

曇。
早起きしたし天気もまずまずなので、独りで「阿房(あほう)列車」をやってきました。ただ列車に乗るだけで、他に何にもしないのが原則(あくまでも「原則」で、なかなか徹底できないが)である。今日の目的は近鉄養老線
 JR那加駅(高山本線)まで送ってもらい、08:31発。岐阜で乗り換え大垣までであるが、いきなり東海道本線が遅れる。大垣での近鉄への接続がよすぎるので、1分まに合わなかった。近鉄養老線は基本的に 1時間に 1本ないのであるが、この時刻は次は 40分後ということで、大垣駅前のミスタードーナツで時間をつぶす。まあ接続がよすぎてドリンクを買う時間もないだろうと思っていたので、トイレに行ったり、先に何の予定もないのでウェルカム。ミスタードーナツで意外にも FREESPOTWi-Fi が使えたので、iPad mini で色いろやる。
2016年春・初夏_47 多少肌寒くて、自販機では HOT のお茶を買う。近鉄養老線は大垣09:46発。意外にも(たぶん)4両編成と多めだが、客は極めて少ない。先頭車両に乗ってみたのだが、車両に僕以外は他におっさんがひとり。これでは早晩廃止は必至だろうな。車窓を殆ど独り占めしながら、広大な濃尾平野を眺め続ける。時々は後ろの養老山地を見たり。何もせずにボーッとしていると、殆ど瞑想と一緒みたいな感じ。まあ凡夫だから、色いろつまらぬ妄想が沸き起こってくる。自分が思っている以上に PC漬けになっていることがよくわかった。「阿房列車」がタメになってはよくないのだが、どうも役に立ってしまうようだ。
 時々アナウンスで「サイクルトレイン」と言っていてへーと思っていたら、途中でキメた自転車野郎たちが10人ほど、自転車と一緒に乗り込んでくる。このガラ空きだったらまったく迷惑になることはないし、これはいい試みではないか。またどこかで一斉に降りていった。景色はずっとかわりばえもせず、1時間11分で近鉄桑名10:57着。これで今日の目標はあっさり達成。
2016年春・初夏_48 もちろん桑名観光などはしない。というか、去年家族で既に訪れている。桑名駅の近くを歩き回ってみたが、日本中の地方都市と同じでさびれきっている。さびれぶりをカメラに収めてもいいのだが、あまり気も進まず、ローソンの Wi-Fi サービスで多少検索したりしてみて、結局名古屋へ向かおうという気になる。ちなみに三重県は公共の無料 Wi-Fi サービスを構築しているらしく、メール登録すればスポットで使えるようだ。
 JR桑名駅から関西本線で名古屋へ。桑名11:28発、名古屋11:59着。
 列車を使って名古屋に来たのはひさしぶり。おのぼりさんをする。とりあえず腹が減ったので、新築オープンした大名古屋ビルヂングへ。いやあ、僕にはちょっとオサレすぎるビルになってしまいましたなあ。3Fの有名ひつまぶし屋は3000円以上で即時却下。地下のレストラン街はまあ安いが、ちょっと時間帯が悪すぎて混みすぎである。「一番軒」というラーメン屋が行列がないので入ったら、それだけのことはあった。正直いって、ウチの近所なら下から数えた方が早いレヴェルで、アルバイトも罵倒したい教育ぶりだし、さすがに名古屋駅前だとこんなのでも満員かとその都会っぷりに納得させられた。
 駅前のジュンク堂書店へ。もう前に来たのはいつだろう。専門書を見に来たのだが、さすがにすごい。まずプログラミング本の棚を初めて見物したのだが、その質と量にうれしくなってきた。へー、Linuxカーネルの本が何冊もあるぞとか、オライリーの見たこともない本とか、眼福である。しかし一方で Ruby本を見てみたのだが、これに限っては未知の本は少なかった。やはり Ruby は人気言語で、本の数は多い方だが、買いたいようなのに乏しい。Rails関係が多いのはここでも同じなのである。つまらん。何とか 1冊だけ選ぶ。これからは Python本を揃えようかなとも思った。
 次いで物理と数学。これは衝撃だった。何年か来ていない内に、まるでちがう棚になっている。完全に田舎者になった! 特に物理の棚をじっくりと見て、たくさん新刊が出ていることを理解する。へー、もう物理とかやることがないのかと思っていたが、時代遅れですな。もっとも、棚を見ているうち、名著の類はかわっていないことにも気づく。で、何か買おうと思って困った困った。物理と数学でテキトーに選んで買う。で以前のように思想・哲学書の棚も見てみたが、これは逆にあまりにもつまらなくて衝撃でないこともなかった。これは世界的な思想・哲学の沈滞がそのまま棚に出ているのであろう。ここでは全然田舎者だとは思わなかった。たぶん、経済学とか社会学の方が活気づいているのだろうが、そちらはスルー。結局買ったのは 4冊でした。昔はここで山のように買って持ち帰ったものだが、いまは棚だけじっくり見ておいて、あとはアマゾンという姑息な手段がある。さすがに棚の写真は撮らなかったけれど、もう都会の大型書店の意義はそれしかないのかも。
 あとは JR で帰るだけ。最後にひとつだけ書いておくと、自分は原始人ゆえ携帯もスマホも所有しないので、駅まで迎えに来てもらおうと公衆電話(死語?)を探したのだが、名古屋駅ではとうとう見つからなかった。いまではそういうことになっているのかあ。ちなみに岐阜駅にはまだ至るところにあったのでよかったが、ここもそのうちなくなるのだろうなあ。どうしよう。

ジュンク堂書店で買った本。

Rubyベストプラクティス -プロフェッショナルによるコードとテクニック

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数学と裸の王様―ある夢と数学の埋葬 (収穫と蒔いた種と)

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数学者の孤独な冒険―数学と自己発見への旅

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完全独習相対性理論 (KS物理専門書)

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このところは金銭的な問題もあって車で移動することが多かったし、じつは運転は結構好きなのだが、阿房列車は時々やらないとな。学生の時はよくやっていて、特に何も思わなかったのだけれど、いまやるといい修行になりまする。カメラも向けない、本も読まない、独りでずっとぼーっとしているというのが自分には大事。無意識の方が刺激されてくるのがわかる。ローカル線がいいが、主要幹線でも OK。列車で行くっていうのは、不思議なものだな。