フェリックス・ガタリ『人はなぜ記号に従属するのか』/田口賢司『sentimental education』/ヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』

曇。外は蒸し暑い。
早起き。
音楽を聴く。■バッハ:ブランデンブルク協奏曲第五番 BWV1050 (ジョルディ・サヴァール参照)。最初聴いたときはこの演奏のよさがわからなかったな。スタンダードたりうる演奏だと思う。■ブラームス:ピアノ協奏曲第一番 op.15 (ヴィルヘルム・ケンプ、フランツ・コンヴィチュニー参照)。ピアノも指揮も素晴らしくて、涙が出そう。ブラームスが天才じゃないって、信じられないな。■R・シュトラウスドン・ファン op.20 (バレンボイム、シカゴ響、参照)。バレンボイムも遥なところまで来つるものかな。■ハチャトゥリアン:フルート協奏曲 ニ短調(ジェームズ・ゴールウェイ、チョン・ミョンフン)。まだ聴いていない名曲ってあるものだな。原曲はヴァイオリン協奏曲らしく、先にフルート版(作曲家自身が認めて多少アレンジしてあるらしい)を聴いてしまったけれども、最初からフルートのために書かれたと思えるくらい違和感がない。しかし、これフルート奏者は大変だろうが、ゴールウェイはさすがに見事としか言いようがないね。軽々と吹いている。ハチャトゥリアンってあまりよく知らないが、これはもっと聴かないといけない作曲家だと認識した。当り前?

Plays Khachaturian

Plays Khachaturian

C.P.E.バッハソナタ ト短調 H.47(ダニー・ドライヴァー)。ピアノによる演奏。大バッハっぽいところもあるし、ハイドン風でもある。
Keyboard Sonatas

Keyboard Sonatas


図書館から借りてきた、フェリックス・ガタリ『人はなぜ記号に従属するのか』読了。しんどかった。
人はなぜ記号に従属するのか  新たな世界の可能性を求めて

人はなぜ記号に従属するのか 新たな世界の可能性を求めて

田口賢司『sentimental education』読了。あんまり自分に関係ない世界だなあ。八〇年代とか全然懐かしくないし。「新人類」(完全に死語)だって。どうでもいいけれど、この人岐阜県の出身なのだよなあ。自分よりちょっと年上。ヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』読了。片山亜紀訳。おもしろかった。フェミニズムの先駆的な書ということなのだろうが…、恥ずかしながら僕はフェミニズムについてよく知らないのである。上野千鶴子さんを多少読んだくらい。ウルフが、女性がものを書くには「お金と自分ひとりの部屋を持たねばならない」(p.10)と言うのは、つまり精神的な創造をしようと思ったら、物質的な条件が必要であるというのは、別に女性に限った話ではないと思う。その意味で、ウルフの発言は、素直に腑に落ちるものだ。実際、かかる条件をクリアする女性は多くなり、今では大変な数の女性の物書きがいる。もちろん、フェミニズムの奮闘も大きかったであろう。さて、現在の状況はどうなのであろうか。フェミニズム的に、まだまだ課題は多いということであろうか。まあ、自分にはナマの判断材料は殆どない。さても、いつごろからであろうか、今は女性のほうが元気である、などと言われるようになったのは。どうも自分には、女性が元気になったというよりは、男性が元気を失ったというのが正確なような気がする。ってどうでもいいですね。
自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)

自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー)


安倍政権が沖縄の基地移設反対デモに対し、沖縄県警ではなく、東京の警視庁機動隊を使ったな(参照)。安倍政権の考えがはっきり出ている。アメリカのために沖縄を切り捨てる、そしてそのためには国家の暴力装置を使うということだ。沖縄の多くの人たちは既に腹をくくっていると思うが、今回の政府の対応で日本国の沖縄に対する考え方を深く得心したことであろう。この「傷」は沖縄の人たちの心から二度と去らないかも知れない。