吉野弘『詩の一歩手前で』/現代詩文庫『佐々木幹郎詩集』

晴。
音楽を聴く。■バッハ:ブランデンブルク協奏曲第三番 BWV1048 (サヴァール参照)。普通。■バッハ:カンタータ第182番「天の王よ、汝を迎えまつらん」 (カール・リヒター参照)。■シューベルト弦楽四重奏曲(断章)第十二番 D703 (メロスQ、参照)。短いけれどいい曲。■ピーター・シッケル:弦楽四重奏曲第五番「この国の一年」 (オウデュボンQ、参照)。土くさいけれどおもしろい。■シューマン:三つのロマンス op.28、ウィーンの謝肉祭の道化 op.26、ブラームス:三つの間奏曲 op.117 (ピリス、参照)。どれも素晴らしいが、ブラームスの間奏曲が特にいい。グールドみたいに、間奏曲を集めてアルバムを作ってくれないかな。なお、三つのロマンスはオーボエとピアノの室内楽のやつ(op.94)ではなくて、別のピアノ曲

吉野弘『詩の一歩手前で』読了。まあエッセイ集かな。吉野弘という人は初めて読んだが、こんな人がいたのだ。無知だなあ。詩人なのだが、政治も含むパブリックなことを、ふつうの文体で書けるめずらしい文学者である。だいたい最近の文学者や文学好きには政治を語らない人が多く、そんなものなのかと思っていたが、日本にもこういう詩人がいたのだな。また、言葉にも敏感だ。詩人だから当然だろうと思われる方もいるかも知れないが、自分の印象では、別に詩人だからといって特に言葉に敏感であるようには思えないので、これもまためずらしい詩人だと感じた。まあ、たぶん知らなかったのは自分くらいのものなのだろう、しかし文庫本というのはありがたいものである。また読んでみたい詩人が増えた。

河出文庫って、何となく好きな文庫である。よきマイナーという感じがする。
図書館から借りてきた、現代詩文庫76『佐々木幹郎詩集』読了。前半は再読した。僕は佐々木幹郎はエッセイ集から入ったのだが、詩を読んでみるとかなり意外だった。第一詩集「死者の鞭」はあからさまに政治的であり、それ以降もとても「熱い」現代詩である。もう少し抒情的なものを予想していたが、期待を裏切られたのはむしろ喜びであった。自分には難解な詩句が多く、よく理解したとはとても云えないが、これはこれで惹かれるものがある。よく考えてみたら、エッセイ集の印象とはだいぶちがうようで、どこか硬い核があるようなところは同じであると思う。とにかくわかったわけではないが、もっと読んでみたい。
昼からネッツトヨタに、車を引き取りに行く(参照)。さすがにきれいに直っていた。引き渡しもちゃんと期日どおり、値段も見積もりより少し安めで、気持ちがいい。しかし二週間とは、大きなキズだったな。母はまあ飛んだ出費だが、やったのだから仕方がない。もう後期高齢者なのだから、気をつけないと。いずれにせよ、きれいに直ってよかったです。ちなみに、アクセルとブレーキの感覚が代車とまったくちがう。アクアにつけたクセはアクセルがじわーっとという感じで、ふわふわして全然力が出ない。その代わり繊細である。代車はガッガッと飛び出る感じだったので、多少戸惑ってしまった。ブレーキは代車よりずっといい感覚。代車はちょっと踏んでもちっとも変わらず、もう少し踏むと急に利くので、扱いにくかった。