吉本隆明&茂木健一郎『「すべてを引き受ける」という思想』

晴。いい日より。
Ruby 遊び。クラスメソッドを使ってみる。最初は何に使うのかよくわからなかったが、Gem とか見ていてなるほどと思った。無意味にインスタンスを生成しなくてもすむのだな。
昨日から CodeCogs が死んでいる。数式が表示できない。
昼から久しぶりに県営プール。ようやく夏休みがおわったので。でも来月も、清掃なんかで長いこと休みになるな。体がなまっていて今日はしんどかった。

音楽を聴く。■バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第一番BWV1001(ジョルジュ・エネスコ)。この曲のこんな悲しい演奏はこれまで聴いたことがない。技術は苦しく、音大の学生の方が上手いだろう。しかしそれは、聴いているうちに気にならなくなってくる。不朽の名演なわけだが、今ならこの技術レヴェルのヴァイオリニストが録音をするというのはあり得ないだろう。やはり、時代というものはある。なお、録音はよくない。

エネスコの芸術

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  • アーティスト: エネスコ(ジョルジュ),バッハ
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1996/10/25
  • メディア: CD
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シューマン:四つのフーガop.72(ル・サージュ、参照)。

図書館から借りてきた、吉本隆明茂木健一郎『「すべてを引き受ける」という思想』読了。僕にとって、吉本さんはやはり特別な人のひとりだと強く思った。もう相当齢をとられてからの対談であるが、吉本さんの深さは比類がない。って何て芸のない感想かと我ながら思うが、この人は何についてでも、自分で考え抜くということをされている。結局頭がいい人も含めて、我々は他人が考えたことを自分の考えのように思い込むことで終わってしまうわけだが、吉本さんは徹底して自分で考え抜いている、稀有な人だ。まあ、そういうところを蓮實重彦先生などは「吉本隆明は滑稽である」と仰るのだろうが、凡庸な自分には、吉本さんがちっとも滑稽に思えない。吉本さんもまた、森羅万象はすべて繋がっているということをよく知っておられたように思われる。だからこそ、あれだけ広い視野をもって物事を考えることができたのであろう。本書では相当にやさしい言葉で語られているが、それがこちらの思考力を活性化させることといったら! これからも、吉本さんを読み返し続けていくにちがいない。
「すべてを引き受ける」という思想

「すべてを引き受ける」という思想

それにしても、アマゾンのレヴューを見てみると、誤解正解というより、読解力が0で目を覆いたくなる。宝石を宝石とわからない、本当にどうでもいい人たちだ。まだまだ先は長い。
思想系のいちばんの難点は、心が汚くなることだ。自分もこれは、常々実感している。ニーチェはそれがよくわかっていた人で、彼の言う「超人」とは、そうしたことを意に介さなくなった人間のことを含んでいるのだろう。哲学とか思想とかいう人は、すぐにルサンチマンに捕われる。そしてそれは、思考全体の歯車を狂わせる。ありふれた話だ。重ねて言うが、自分もこれを免れているわけではない。
晴朗な思索というのは滅多にない。ニーチェ風に云えばね。

岡崎武志さんがブログを閉じられたようだ。何があったのか知らないが、残念だな。楽しみにして、ほぼ毎日読んでいた。これまでありがとうございました。
吉田美奈子を聴く。
カッコよすぎて呆然としてしまう…。天才ですね。老若男女、聴いた方がいいと思います。「ラスト・ステップ」は是非山下達郎バージョン*1も聴いてみて欲しい。男性版と女性版ということで、歌詞がちがっていて切なくなってしまうかも。
FLAPPER

FLAPPER

*1:たまたま当ブログのここで聴けます。