雨。昼晴。夜雨。
音楽を聴く。■バッハ:ハープシコード協奏曲第一番BWV1052(ピノック)。
- アーティスト: ピノック(トレヴァー),バッハ,ギルバート(ケネス),モールテンセン(ラルス=ウルリク),クレーマー(ニコラス),ザ・イングリッシュ・コンサート
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2002/06/26
- メディア: CD
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岩波文庫版『原民喜全詩集』読了。原民喜は『夏の花』の著者に留まらない。これは岩波文庫で出すにふさわしい本だろう。一度読み切り、再読する。とてもいいものだという感想は変わらない。原民喜は詩集を纏めたのち自殺するが、絶望とか苦悩とかで死んだのではないような気がする。妻のところへ帰っていっただけなのではないか。確かよくできた全集が出ていて、開高健がそれをもってアリューシャン列島かどこかで釣りをしていたような記憶があるが。なお、若松英輔の文庫解説もいいもの。
- 作者: 原民喜
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/07/16
- メディア: 文庫
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吉田修一『悪人』読了。祐一と光代が逃亡しだしてからは一気に引き込まれていったが、ラストは本当にあれでいいのか。確かにあれこそが祐一の愛の証明なのだろうし、これしかないような気もするが、釈然としないものも感じる。何だか嫌な後味で、本書を読んでよかったのかどうか。本書は、人が言うほど自分は感銘を受けなかった。本書でいちばん魅力的な登場人物は光代だろうが、彼女に対する最後の扱いがひどすぎると思う。それから、房枝のエピソードも、全体から遊離している。最終的に、祐一は光代を救うために、ここで本当に「悪人」になったのだと思う。もうここには、光代の愛した、不器用な祐一はいない。その後の祐一に興味はもてないし、たぶん死刑になるということなのだろう。結局、作者の描いた図は何だったのか。
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/11/06
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- 作者: 吉田修一
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