夏海公司『なれる!SE 2週間でわかる? SE入門』『なれる!SE2 基礎から学ぶ?運用構築』/『とある科学の超電磁砲 第一巻』

曇。
不思議な夢を色々見た。
音楽を聴く。■バッハ:ハープシコードと二つのリコーダーのための協奏曲BWV1057 (デイヴィット・モロニー他、参照)。■バッハ:カンタータ第13番「わがため息、わが涙」(カール・リヒター参照)。■ショパン:練習曲集op.10(ヴァレンティーナ・リシッツァ、参照)。うん、これはいいですね。リシッツァは自分の感性に合った曲を弾くと、なかなか瑞々しい音楽を聴かせてくれる。ナチュラルさがいい。彼女は、曲に奉仕するというよりは、どちらかと言えば自分の思い通りに弾くタイプのピアニストだと思う。だから、僕はこの曲は楽譜をもっていないなので検証できないが、すべてショパンの指示通りには弾いていないのではないか。この曲はもちろん技術が要るわけだが、そこいらも問題がない(しかし、バリバリ弾くっていう感じではないね)。あとは、この個性をどれだけ深めていけるかだろう。ショパンでは、ポロネーズなんかはきっと聴かせるだろうな。二十四の前奏曲もちょっと聴いてみたい気がする。

昨日寝る前に朝日新聞沖縄戦特集を読んでいて、ちょっと言葉を失った。戦争について論ずることはもちろん必要だが、戦争で死が隣にあった人たちの証言を読んでいると、今はどうも戦争について余計なお喋りが多すぎるのではないかという気もした。日本を守るとかいうことが、観念になっている。首相の頭の中も、観念でいっぱいなのは明白である。ツェランを読んでいたせいもあるが、死を肉体で支払わされるのは民衆なのだと思わざるを得なかった。これは、別に首相だけを批判したいわけではない。ただ、この沖縄戦を実体験した人たち、また、戦争を実体験した人たちは他にも日本にまだ生き残っておられるが、ああいう人たちがいなくなったら、この国はどうなってしまうのかと思う。人間は歴史から学べないというのが真実なのだろうか。
 それから、これも朝日の系列の報道ステーションで昨日やっていたが、政府が集団的自衛権合憲の拠り所としている「砂川裁判」だけれども、これはアメリカが日本に圧力をかけ、政府が司法に介入して三権分立が毀損された上に、日本国家の独立性まで問題になる事例だったことを初めて知った。これはアメリカ側の資料の公開により、最近判明した事実であるようで、Wikipediaにも一定の記述がある(参照)。しかし、政府がどうしてこれを持ちだしてきているのか、自分にはよくわからない。政府がアメリカの圧力によって司法に介入したのは、日本史上の汚点ではないのだろうか。それが集団的自衛権合憲の拠り所になるとは、不思議な話である。

久しぶりに県営プール。
夏海公司なれる!SE 2週間でわかる? SE入門』読了(電子書籍版)。SEとはシステム・エンジニアのこと。題名を見ると、いつも僕が読んでいるような、プログラミングの本だと思われるかも知れない。でも、じつはライトノヴェルなんだな。何も知らずにIT企業に就職した主人公が、中学生みたいな美少女である上司にツンツンガリガリいじめられながら、何だかむにょむにょなっていくという、ありがちな設定。IT業界の過酷な労働に、主人公は「すぐ辞めてやる」とか思いつつ、取り敢えず室見立華(美少女上司)を見返してから辞表を叩きつけてやろうなんてやっているのだが、段々もにょもにょなっていくのだよなあ。最近のライトノヴェルを初めて読んだみたいなものだが、マンガをすごく意識していて、幼稚な文章がかわいいっぽい。荒川洋治をdisっていてこんなのがおもしろいって言ったら、まあ誰も僕の文学観を信用してくれなくなるだろうが、ホントにおもしろくって切なくなってくるくらいだった。このあと、そのもにょもにょが発展しそうなので、これは続きを読むことになりそう。しかし、室見さんは何歳なんだろう。すごいスキルをもっているのだが、ホントに中学生? すると、主人公の桜坂はロリコンか? ちなみに、ネットワーク技術をお勉強していた知識が多少あったので、そこいらもものすごくおもしろかった。プロって、こういうことをやっているのだな。さて、続巻をダウンロードするか。

夏海公司『なれる!SE2 基礎から学ぶ?運用構築』読了(電子書籍版)。ヤバい、完全にハマりました。おもしろすぎるやんけ! 「構築」と「運用」のバトルが今回の話。ついでに女同士のバトルも(ありがちすぎる^^;)。工兵君、羨ましすぎる役回りですなあ。でも、実際の三角関係って、ちっとも楽しくないよね。これはお話だから可憐です。しかし、中小IT企業の現場のディテールがすごくて、実際のIT企業戦士たちによると、あまりにもリアルであるそう。自分などの初心者プログラマーには、トラブルにすごいスピードで立ち向かう立華も梢も、とてもカッコいいですね。もちろん自分には技術的なディテールはわからないところも多いのだが、これが「魔法」とか「呪文」でなくて、現実のコンピュータ技術であるところも惹かれる理由のひとつなのだと思います。著者は実際に、IT業界でボロボロになるまで働いた経験の持ち主なので、ライトノヴェルだからと云って侮れない。女のバトルはファンタジーだけれど、主人公の工兵も含めて、おじさんには皆チャーミング。さて、今日もう一冊読めるかな?
Kindle本購入でちょっとミスったので、オタク繋がりで「とある科学の超電磁砲」を観る。取り敢えずはまあまあかな。笑えるのがとてもいいし、主人公の性格がまったく普通の女の子という感じで、気持ちがいい。このようなコミカルな話が続いていくのか、シリアスな展開になるのか知らないが、楽しみである。ちなみに僕は、マンガもアニメもラノベも特に違和感はない世代です。マンガは最近でこそ読まなくなったが、学生の頃はたぶん万という数を読んでいたのではないか。まあ、マンガの黄金時代だったからね。少年ジャンプが膨大な読者をもっていた頃の世代である。今は、マンガがそれこそオタク化してきて、技術はものすごく精緻になったけれど、読者が細分化されてしまった。まあ、別にキライではないですけれど。