園田道夫『Winnyはなぜ破られたのか』

晴。
音楽を聴く。■バッハ:四台のハープシコードのための協奏曲BWV1065(デイヴィット・モロニー他、参照)。先日聴いたのとは別テイク。■マーラー交響曲第六番(バーンスタインNYPO 1967)。ああ、しんどかった。シノーポリマーラーもしんどかったが、バーンスタインの巨大さはしんどい。第一楽章、第二楽章はテンポが多少速めかな。第三楽章は、改めて好きな楽章であることを確認した。全体的に骨太で、スケールが大きい演奏だと云えるだろう。最近の指揮者の演奏の方が精緻であると思うが(そしてマーラーの音楽はそうした側面もあるが)、このバーンスタインの歴史的な全集を聴く意義は今でもあるだろう。色々な意味で強烈である。
2015年初夏・夏_131何だか如何にも保守的な音楽ばかり聴いているように見えるかも知れないが、自分ではあまりそう思わないのだけれどね。というか、今のポピュラー音楽は音楽語法的にどうしようもなく因習的でしょう(例外があったら是非教えて頂きたい)。新しいこと、冒険的なところがまずない。クラシックの一見黴の生えた大家の方が、比べようもなくラディカルだというのが事実だと思う。
僕は子供の頃、(初期の)松田聖子山下達郎を同時に聴いていたのだけれど、あの頃の松田聖子はちょっと懐かしい気がしないでもない。歌詞は松本隆、曲は大瀧詠一とか、細野晴臣とか、松任谷由実とかが書いていたな。(松任谷由実は、確か呉田軽穂っていう別名で曲を提供していたと思う。)どうしてそういう豪華なことになっていたのか、調べたことはないのだけれど。

右上はウコンの花。めずらしいでしょう。
イオンの写真屋。カルコス。久しぶりに結構買った。酒屋さん。
図書館から借りてきた、園田道夫Winnyはなぜ破られたのか』読了。Winny は、コンピュータ・ウィルスによる情報漏洩で一時期話題になった。製作者が逮捕されたが、最近はどうなんだろう。情報漏洩そのものは、先日も年金のデータの流出があったばかりですね。本書は大変ネットワーク技術の勉強になった。でもまあ、自分はあまりプログラミングには向いている方ではないので、本書のレヴェルまでは到底いかないことがわかっている。ただ、Winny を使っていた人は、まさしく使っているだけで、ネットワークについて知識の少なかった人も多かったでしょうね。って過去形で言ってもいいのかな。今 Winny がどうなっているのか、自分はよく知らない。ただ、Winny は問題になったけれど、ネットワーク技術に過ぎないと云えばそうなのだよな。著作権の問題とか情報漏洩の問題とかと関ってくるので、話は簡単ではないわけだが。例えば「ハッカー」というのは、一部の人たちが思っているような犯罪者たちではないのだけれど、コンピュータやネットワークの「自由」に対して理想をもっている人たちだとは云える。ただ、「自由」というのは、別の人たちから見れば「コントロールできない」ということにもなるのだよね。なかなかむずかしい問題だ、これは。そして、情報と金銭の問題でもある。ネットワークは情報の対価がどんどん安くなってしまうようになっている世界であるが、情報のクリエイターたちはそれで正当な対価が支払われないとなれば、深刻な話だろう。しかし、情報とそれへの対価というモデルは、既に変質してきているとも云える。例えば無料で読めるブログに価値あるコンテンツを晒すことで自らを差別化し、別の方法で稼ぐとか(例えばちきりん氏など)。また、一旦無料でアプリをダウンロードさせ、アプリ内で課金するとか(これはよくありますね)。それなりに既に市場は変ってきているようである。それに対し、本や音楽や映画などの古いメディアも、今までとはちがったビジネスモデルを創造できたところが生き残っていくのだろうな。結局、Winny なんかは、最終的にメジャーになることはないと思うのだ。

Winnyはなぜ破られたのか―P2Pネットワークをめぐる攻防

Winnyはなぜ破られたのか―P2Pネットワークをめぐる攻防


Chromeが重いな~と思ったら32bit版を使ってた件。64bitにしたら快適でワロタwww : IT速報
自分も32bit版だった…。しかし笑える。