アンナ・カヴァン『氷』

雨。
一日の最初から何だが、最近だんだん日本という国がわかってきた。
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ついでに今の政権もだんだん見えてきた。何をさておき傲慢なんだな。経済政策で成功しているから困ってしまう。
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id:SHADE さんのところで聴いた音源から、Nujabes というのを知る。You Tube で一時間くらい聴いてみた(音源)が、気持よくてなかなかよかった。さすがに麻痺してきたので止めましたが。どういうジャンルかと思ったら、こういうのも Hip Hop なんですね。音楽家は若い日本人で、交通事故で既に亡くなっているらしい。You Tube のコメントは英語がほとんどで、世界中で聴かれているのだなあと。中には「Nujabes へのコメントはいいのばっかりで、ここは You Tube のパラダイスじゃない?」なんてコメントがありますね。

アンナ・カヴァン『氷』読了。山田和子訳。極めてオリジナルなテイストをもった小説だ。ジャンルとしては、SF に属するのであろうか。プロットとしては、主人公がな謎めいた少女を追うだけで、後は世界が氷に覆われ、人類が滅亡していく様子が描かれているのみである。叙述は一人称と三人称が突然に入れ替わり、場面の転換もまた唐突だ。リアリスティックな描写に、非現実的・幻想的な描写が入り混じっている。主人公も含め、登場人物たちの性格もはっきりしない。殆ど性格と人間味を欠いた、謎めいた少女が軸になり、彼女は何故か主人公から逃亡する。その間にも、世界はどんどん凍りついていく。そして世界はどうやら大規模な戦乱に忙殺されており、核兵器すら使われているようだ。あと少しで、世界が凍結してしまうと云うのに。
 本書は特異な作家の書いた特異な小説であるが、東西冷戦の時代であることが影響しているのは確かであろう。ブログを見てみると、以前に『アサイラム・ピース』を読んでいるようだが、よく覚えていない。どうも、あんまりおもしろく読まなかったようですね…。

氷 (ちくま文庫)

氷 (ちくま文庫)


音楽を聴く。■ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第一番op.15(ルービンシュタイン、ヨーゼフ・クリップス参照)。ルービンシュタインはショーマンだと云われるが、録音を聴いている限りではそんな風にはあまり思えないのですけれども。普通じゃないか?■ショパンマズルカop.17-4、ラルゴ ハ短調、三つのエコセーズop.72-3、コントルダンス変ロ長調、幻想即興曲ノクターンop.9-2(アレクサンドル・タロー参照)。やはりタローは魅力的なピアニストだ。特に、自分の気に入っているのであろう曲を弾くときは、耽美的で素晴らしい演奏をする。音が魅力的。スクリャービンなんか、合っているのではないか。このディスク、超有名曲二曲で終っているあたり、ピアニストの自信が感じられるように思う。
あったあった、タローのスクリャービン。やはり素晴らしい演奏。しかし、これしかないのかねえ。絶対に合っていると思うよ。