武内孝善『空海はいかにして空海となったか』

晴。
本を読みながら寝てしまった。
音楽を聴く。■モーツァルト:セレナータ・ノットゥルナK.239(ネヴィル・マリナー)。何故かこの曲が聴きたかった。■ショパン:ピアノ協奏曲第二番op.21(サンソン・フランソワパウル・クレツキ、参照)。普通にいい。オールド・スタイルの演奏だが、今でも新鮮。■チャイコフスキー交響曲第四番op.36(チェリビダッケ参照)。うーん、音はきれいだし迫力もあるのだが、やはり肯定はできないな。だいたい、長すぎやしないかね。チャイコフスキーは美しいところもあるのだけれど、終楽章のコーダとか、閉口する。そうだな、こういう曲はカラヤンで聴けばいいかも知れない。もっと上手くやっつけてくれるような気がする。また、バーンスタインなんかではどうだろうね。

武内孝善『空海はいかにして空海となったか』読了。これはいい本だ。空海の前半生に光を当てた研究書であり、資料が乏しくてこれまで漠然と考えられてきた説を、詳しく検討し直している。例えば、空海は四国で生まれたのではなく、畿内に生を受けたと考えられること。また、空海の一族は没落していた(或いはしかかっていた)と云われることが多いが、じつはそうではなく、かなり勢いがあったそれであったこと。詳細は本文に当られたいが、説得的な論証が並んでいると思う。それから、入唐であるが、その前に空海は素晴らしい神秘体験を得ていたにも拘らず、完成された密教僧だったわけではいまだなくて、入唐し師の恵果に教えを受け、初めて「真の」空海になったということ。それもまさしく、本書の言うとおりだったのではないかという印象を受けた。本書で恵果が亡くなる前に、空海に「早く郷国に帰って、もって国家に奉り、天下に流布して、蒼生の福を増せ。然れば則ち四海泰く万人楽しまん。是れ則ち仏恩を報じ師徳を報ず」というところには、思わずジンとさせられてしまった。空海という人がいかに多くのものを日本に伝えたかを思うと、その功績に驚かされる。いまや、宗教はなかなかこれほど大きなことはできなくなってしまった(世界中で宗教の名の下に、多量の人殺しがなされているのではあるのに)。末法の世とはこうしたものか。いや、宗教づいてしまいましたが。

空海はいかにして空海となったか (角川選書)

空海はいかにして空海となったか (角川選書)


人形つかい(4) 実現不可能な仕様を実現する方法:Press Enter■:エンジニアライフ
桑原桑原、ソフトウェア・エンジニア(プロのプログラマー)って恐ろしい仕事だな。素人の初心者プログラマーでよかった(?)。こんな僕のレヴェル以下のシステム・エンジニアって、本当にいるのかな。コメントを見ると、実際に居そうで恐ろしすぎる。この小説の中の人って、明らかにウェブ・プログラミングをやったことがないよね。おっかねえなあ。まあ、自分は趣味でやっているだけなので、関係ないけれど。