今村勤『物理と関数論』/ジッド『狭き門』

曇。
音楽を聴く。■テレマン:序曲イ短調TWV55-a4(ペイエ、コレギウム・インストゥルメンターレ・ブリュヘンセ、参照)。■ハイドン交響曲第百四番(バーンスタインNYPO 1958)。■ドビュッシー前奏曲第一巻(パスカル・ロジェ参照)。

県営プール。
雨の中、カルコス。
今村勤『物理と関数論』にざっと目を通す。

物理と関数論 (物理と数学シリーズ 2)

物理と関数論 (物理と数学シリーズ 2)

ジッド『狭き門』読了。中条省平・中条志穂による新訳。腹を立てたり反発したりしながら一気読み。もちろんこれが「純文学」の読み方なのだ。訳者による極めて優れた解説があるので、書くことはあまりない。優れすぎてあまりにも何でも委曲をつくして理解されているので、感想が抑圧されてしまうくらいである。一言だけ書いておけば、ヒロインのアリサであるが、信仰の純粋さと至高の高みを目指す、恐るべき煩悩の塊だと自分には見える。彼女には、ピュアであるということがオブセッションなのだ。訳者も指摘しているが、神はむしろ添え物なのではないか。そして、主人公は彼女には、神にも紛う偶像なのだ。彼女がどうしてそこまで彼を愛しているのか、自分にはさっぱりわからない。というのは俗人の感想であろうか。
 いつもながら、訳者(たち)の翻訳は見事。古典新訳文庫も、完全に定着したな。益々の発展を祈りたい。
狭き門 (光文社古典新訳文庫)

狭き門 (光文社古典新訳文庫)