ワンガリ・マータイ『モッタイナイで地球は緑になる』

晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第十六番K.451(ブレンデル、マリナー)。もう少し角が取れていてもいいな。才気があり過ぎる。■フンメル:ピアノ三重奏曲第八番op.96(トリオ・パルナッスス、参照)。相変わらずおもしろい。■シューベルト:五つのドイツ舞曲D90コダーイQ、参照)。■ドビュッシー:ベルガマスク組曲パスカル・ロジェ)。ドビュッシーのせいなのかロジェのせいなのか、新鮮な感じ。ロジェのピアノは奇を衒ったところはまったくないので、レヴェルの高い演奏が安心して聴ける。ロジェは巨大ではないが、繊細な表現が印象的な、なかなかいいピアニスト。自分はドビュッシーピアノ曲の中でこの曲がいちばん好きなのだが、この演奏に不満はない。

Piano Works

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図書館から借りてきた、ワンガリ・マータイ『モッタイナイで地球は緑になる』読了。著者はケニアの女性で、植林活動その他様々な試みにより、ノーベル平和賞を受賞している。邦訳名はわかりやすいが、明らかにミスリーディング。本書には日本との関わり(「モッタイナイ」)は殆どなく、著者自身が従事してきた GBM (Green Belt Movement)は、最初はケニアの植樹運動であったが、今では様々な活動とリンクしているものである。ケニア国民の生活を向上させるために、植林がちょうど鍵になっていたのである。本書は、その活動の簡潔な報告であると云えよう。リーダブルでないことはないが、結構硬い内容であるし、ケニアの話が殆どだ。本書を読んで思うのは、アフリカにおいては政府の腐敗が大問題であるということである。これは、先進国にも少なからず責任がある。「ビッグマン」たちによる腐敗は、先進国からの支援と密接な関係があるからだ。もっとも、ここのところは、自分は恥ずかしながらよく知っているとは云えない。著者は実際に政府から嫌がらせを受けてきたし、それどころか逮捕・監禁すらされている。独裁政権は、自分たちの支配に罅を入れそうなあらゆることに、干渉するものだから。
 自分にとっては、本書はまだアフリカ問題の初歩に誘ってくれたに過ぎないと云える。できればある程度は、継続して関心を持続させたい問題だ。
モッタイナイで地球は緑になる

モッタイナイで地球は緑になる