早朝、曇。晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:バスーン協奏曲K.191(トン・コープマン、アムステルダム・バロック管弦楽団、参照)。佳演。あまり聴いたことのない曲だが、さすがにモーツァルトだな。古楽器での演奏なので、やはりバスーンは大変そう。■メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ第一番op.45(ポール・トルトゥリエ、マリア・デ・ラ・ポー、参照)。佳曲。もっと聴かれていい曲だろう。演奏はいい。ピアノのマリア・デ・ラ・ポーは、トルトゥリエの長女らしい。■ヒンデミット:室内音楽第三番op.36-2(シャイー、参照)。
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永山薫『増補 エロマンガ・スタディーズ』読了。いやあ、おもしろかった。エロマンガというジャンルは、まったく底なしで一般人には見通すことなど不可能である。本書の作った「見取図」は、自分には正確には判断できないものの、貴重なものなのではないか。本書のスタンスは、著者がエロマンガを肯定的に享受しつつ、徹底的に理論武装するというものだ。対象への楽しそうな(?)記述に隠れてはいるが、知的に見てもとてもレヴェルが高く、自分などの遠く及ばないところだと告白しておこう。また、至るところでユーモアが炸裂し、読んでいて思わず笑ってしまう。こういうところからも、本書のレヴェルの高さが窺えるだろう。
しかし、本書を読んで痛感するのは、エロマンガという世界において、男性の欲望形態はほぼ完全に網羅され、カタルシスを体験させているということだ。これでは、男性の欲望は、メディアの中で容易にかつ徹底的に「ガス抜き」されてしまうであろう。だから、近頃のいわゆる「草食系男子」なるものは、必然的に登場してきたように見える。エロマンガの「有害図書指定」も、表現の自由その他の理由で肯定できないものの、エロマンガを日陰に追いやることで、欲望の内圧を高める効果はあるのかも知れない。自分はやっぱり、「性」というものはある程度秘められた、非日常的な(?)、「夜の世界」のものであった方がいいような気がしてならないのだ。しかし、本書のような優秀な本を読むと、どうも気持ちは揺らいでくるようでもある。
増補 エロマンガ・スタディーズ: 「快楽装置」としての漫画入門 (ちくま文庫)
- 作者: 永山薫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/04/09
- メディア: 文庫
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- 作者: 菅谷暁,山田俊弘
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/08/26
- メディア: 新書
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安倍首相は「頑張った人が報われる社会を」と言ったが、僕個人としては、「頑張らない人でもそこそこ生きていける社会」の方がいいと思っている。まあ、賛成してくれる人は少なそうだけれど。でも、世の中は「頑張れる」人ばかりではないでしょう。「カス」が生きて行けない社会は、よくない社会だと勝手に思っている。我々「カス」だって、生きていっていいのではないか。もちろん、頑張った人はそれはそれでエラいことは認めるし、そういう人には成功して欲しいと思う。でも、頑張っても運が悪いとか、そういうこともあって転落しないとは云えないでしょう。何、そういうことを言っていると、日本が没落するって? 「カス」の面倒を見るのはまっぴら御免? それは困ったなあ。でも、「カス」を切り捨てたら、日本は上手く行くの? もしそうなら、何も云えないが。