小平邦彦『解析入門』/ロジャー・パルバース&四方田犬彦『こんにちは、ユダヤ人です』

晴。
ウラで樹を切っている。朝からチェンソーの音がブウブウうるさい。
音楽を聴く。■ベートーヴェンピアノ三重奏曲第七番op.97-1、第八番op.121a、第十一番WoO.38、第十二番WoO.39(トリオ・ヴァンダラー、参照)。■シューベルト:ピアノ・ソナタ第十三番D664(内田光子参照)。この曲にはリヒテルのスタジオ録音があるが、内田光子も素晴らしいね。■モーツァルト:弦楽五重奏曲第六番K.614、第一番K.174(ターリヒQ、参照)。■ペルゴレージスターバト・マーテルマゼール)。至高の曲ではないか。今まで何を聴いていたのか。

Pergolese-Stabat Mater-Maazel-Vivad

Pergolese-Stabat Mater-Maazel-Vivad


岩波講座基礎数学「解析入門4」(小平邦彦)にざっと目を通す。
解析入門 (岩波基礎数学選書)

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ロジャー・パルバース四方田犬彦『こんにちは、ユダヤ人です』読了。日本在住が長く、宮沢賢治の研究者でもあるらしいユダヤ人パルバースに、長年の友人であり、ユダヤ文化にも詳しい四方田犬彦が話をきくという体裁の対談集。ユダヤ人に関する知識はてんこ盛りなので、まずは確実に勉強にはなる。本書に書かれていることから教えを受けないほどユダヤ人に詳しいという日本人は、それほどはおるまい。まあ、ちょっと違和感を覚えるところもなくはなく、まず本書の趣旨からいうとあまりにも四方田犬彦がしゃべりすぎているのではないかという疑問はあるが、まあそんなことはいい。たぶん「普通の」日本人が読めば、四方田犬彦はどうしてこんなに日本をけなすのかとは、当然思うことだろう。それは四方田も気づいているらしく、あとがきに四方田は「現在の日本人をある意味で憎んでいる」とあるけれども、「ある意味」どころか、すごいルサンチマンだと思う。本書ではそれが噴き出しているのだ。まあ、これは読者がどう受け取るかで、自分などはああまたやっているなくらいの感覚であった。僕は別に、四方田が韓国人を持ち上げ(?)、日本人を罵倒しても、それから例えば原節子ファシスト扱いしても、一方で多くの西洋人に拝跪しても、特にどうとも思わないので。四方田犬彦っていうのは、そういう人である。しかし、それでも本書には貴重な情報が多く詰っていることは疑いない。本書はまた「世界を知らない日本人」と連呼する類の本でもあるが、確かに日本人には(自分も含めて)そういうところはあろう。僕レヴェルの人間は、本書の有益な部分だけ、受け取っておいたらいいのではないかと思う。
こんにちは、ユダヤ人です (河出ブックス)

こんにちは、ユダヤ人です (河出ブックス)