デュルケーム『宗教生活の基本形態(下)』/児玉清『寝ても覚めても本の虫』

晴。十五センチくらい積もっている。昼頃からまた降り出す。
音楽を聴く。■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第一番op.78(ムローヴァ、ピョートル・アンデルジェフスキ)。なかなかレヴェルの高い演奏だと思うので、第一楽章が速すぎるのだけ残念。ここはもっとロマンティックに弾いて欲しい。

Violin Sonatas 1-3 / Piano Trio 1 / Violin Cto

Violin Sonatas 1-3 / Piano Trio 1 / Violin Cto

ショパン:ピアノ・ソナタ第二番op.35、ポロネーズ第六番op.53(キーシン参照)。スケールは大きいし、音楽性も立派だが、何だか常套句の感想しか出てこない。人気ピアニストが人気曲を弾きましたとでも云うか。ただ、英雄ポロネーズは普段まったく聴かないので、意外とおもしろかった。■モーツァルト弦楽四重奏曲第十九番K.465(カザルスQ、参照)。もしかしたらモーツァルトにはミスマッチなのかも知れないが、自分のもっていない感性で、その点役に立った。つるつるの壺という感じ。■アイヴズ交響曲第二番(バーンスタイン1958 NYPO)。アイヴズはよく知らないのだが、音楽語法的には保守的であろう(Wikipediaはアイヴズは前衛的な作曲家だとしているが、この曲には当てはまるまい)。アメリカ的楽天性が確かに感じられる。しかし、最後の最後だけ不協和音というのは、どういうこと? バーンスタインはさすがと云っておこう。

エミール・デュルケーム『宗教生活の基本形態(下)』読了。うーん、しんどかった。トーテミズムに関しては、レヴィ=ストロースの『今日のトーテミズム』以降、理解が変った筈だが、訳者解説ではそのあたりは言及していなかったけれども。児玉清寝ても覚めても本の虫』読了。このところずっと、外食の際のお供にしていた本。二〇一一年に亡くなられた著者は、長いこと「週刊ブックレビュー」(この番組ももうない)の司会をなさっていて、題名どおり本の虫ということであった。本書は著者の最初の本で、書評書としては主に海外ミステリーの紹介であるけれども、その土台は青春時代に読んだ、岩波文庫中心の「教養書」であるらしい。もっとも、著者は「教養書」かどうかなんて、あまり気にしなかったようで、とにかく読書がずっと好きであったことが、本書からも読み取れる。ミステリーを原書でガンガン読んでいるのは壮観。自分はミステリーは殆ど読まないけれど、毛嫌いしているわけでは毛頭ない。そのうち機会があれば、またミステリーも読んでみたいな。女性作家を特に取り上げている章もあって、つい容貌なんかも気にしているところなんかは微笑ましい(女性はセクハラとか云わないように)。俳優で本がこれほど好きだというのは、今では誰に当るのだろうか。よく知りませんが。
寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)

寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)

吉本隆明全集を読む。