シェイクスピア『冬物語』

晴。
音楽を聴く。■ヨハン・バプティスト・ヴァンハルクラリネットソナタ第一番(ジェーン・ブース、ジョン・アーヴィング参照)。オリジナル楽器による演奏で、クラリネットもフォルテ・ピアノもペコペコの安っぽい音。クラリネット奏者は、よく知らないが学生に毛が生えたようなものとしか思えない。ヴァンハルはおおよそモーツァルトと同時代の作曲家で、大変な人気作曲家だったらしい。まあこの曲は大したものではないが、気軽に聴けば魅力がないことはない。惜しむべくは、モダン楽器で、もう少し上手い奏者に演奏されたものを聴きたかった。■ツェルニー:ピアノ・ソナタ第十一番op.730、無言歌op.795-1(マーティン・ジョーンズ、参照)。これでツェルニーのすべてのピアノ・ソナタを聴き終わった(第一集第二集第三集)。忘れられても仕方のないようなものだったが、一方で決して聴いても無駄ではなかったとも思う。曲の個性が弱いのは事実だが、自分には未知の部分もあった。ただ、曲が長い。もう少し短ければというのは、正直な感想である。それから、ピアニストのマーティン・ジョーンズは明らかに好演である。 ツェルニーのありのままをよく出していたのではないか。残り、小品も聴くつもり。

県図書館。調べてみたら吉本隆明全集が入り始めたことがわかったので、喜んで借りてくる。この全集は是非読んでみたかったので、嬉しい。岐阜県図書館にしてはなかなかではないか。
図書館から借りてきた、シェイクスピア冬物語』読了。松岡和子訳。『冬物語』は初めて読むのだな。これはシェイクスピア劇では唯一の、読者を欺く「ロマンス劇」だというのだが、ああなるのは充分予想できますけれども。どうせそんなになるのではないかと思っていた。まあ、まぐれ当りでしょうけどね。それから読んでいて、林達夫がエッセイ「拉芬陀」で言及しているのが、この戯曲だとわかった。林達夫はある一節を、「さ、これはあなた方の花。ホット・ラヴェンダー、はっか、きたちはっか、マヨナラ草。」と訳している。前にも書いたが、「マヨナラ草」は「マヨラナ草」の誤りで、一時期の日本語訳はほぼすべてが誤っているらしい。林達夫のエッセイは、「ホット・ラヴェンダー」の「ホット」を問題にするもので、ラヴェンダーが西洋本草学の世界では、「冷気」を温める働きがあると考えられていたから、その知識から「ホット」が付いているということを論じていた。これはパーディタの台詞で、本書の訳では「皆様もはい、どうぞ、遅咲きのラヴェンダー、ミント、セイボリー、マヨラナ。」(p.138)となっていて、「ホット」は「遅咲きの」と解釈されているようである。どういうことなのか自分にはまったくわからないが、林達夫のエッセイからすでに七〇年以上経っているので、それなりに研究が進んでいるのであろう。また、はっかが「ミント」、きたちはっかが「セイボリー」と原語のままなのは、日本でも西洋のハーブが大衆化したことを物語っている。
 それにしても、本書でレオンティーズ王は、どうして王妃ハーマイオニが不貞をはたらいたと頑なに思い込んでしまうのであろうか。どうもその思い込みがあまりにも激しすぎるのがよくわからないし、また、悲劇が起こってしまってからあまりにも簡単に前言を撤回してしまうのもわからない。事件が起こってしまっても、特に王妃の過ちが反駁されたわけでもないのに。流れからすれば、王は当然の報いだと思ってもしかるべきところであろう。まあ、そんな合理性を追求しても仕方ないのかも知れないが。

冬物語―シェイクスピア全集〈18〉 (ちくま文庫)

冬物語―シェイクスピア全集〈18〉 (ちくま文庫)


Perl で HTML のパースということを考えたのだが、新旧のモジュールの情報が入り乱れていて、何だかよくわからない。古い本で使ってある HTML::Parse というモジュールは、今はないのだな(検索していると、HTML::Parser じゃないかって Google 先生に指摘されたりする)。代わりに HTML::TreeBuilder を使うようだが、やっぱり英語文献を読まないといけないですかねえ。面倒だなあ…。語学ができないのはアカンですな。(お分かりのとおり、プログラミング超初心者です。)
 それから、Ruby がおもしろそう。これ、Perl によく似ている。というか、全面的にオブジェクト指向化された Perl という印象。日本人が創った言語だから、日本語が使いやすいのもいいよね(Perl は日本語が使いにくいのだよ)。初心者なりに色々言語を使いたいのだが、Ruby の優先順位は高そうだ。それから、時々ネットですごい勢いで Perl を貶している人を見かけるのだが、これも興味深い。これだけアンチがいる言語は Perl だけですよ。また、Perl 擁護派(Perl Mongers)が必死に(?)反論したりしているのも、これもまた独特。僕は別にどちらにも加担しないが、もちろん Perl は大好き。個人で勝手に書くのは何でも構わないと思っている。多人数で大規模開発をやったりするのには、あまり向いていないのかも知れないけれど。でも有名な話だが、はてなPerl で書かれているのですよね。あと、自分は20〜50行くらいのプログラムをよく書くのだが、こういうのにはじつに向いている。こういうのを、誰も Java で書いたりしないでしょう。GUI とかも必要ないし。なんてね。
 Perl は初心者にやさしいです。下の本と多少のモジュールの知識があれば、これだけで、僕みたいな超初心者でもそこそこ書けてしまうのですよ。頭のいい人にはもっと進んだ本があるでしょうが、僕はこの本は名著だと思います。著者は色々な言語の入門書に定評がありますし、一部では有名な「数学ガール」シリーズの著者でもあります。多才ですねえ。
新版Perl言語プログラミングレッスン入門編

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