テリー・イーグルトン『文学とは何か(上)』

晴。
音楽を聴く。■モーツァルト弦楽四重奏曲第一番K.80(ターリヒQ、参照)。初期モーツァルトは、イタリアっぽくていいね。しかしこのディスク、何で第一番が最後に入っているのだろう。■シューマン交響曲第四番op.120(バレンボイム参照)。さすがにバレンボイム。■ベルワルド:ピアノとヴァイオリンのためのデュオ ニ長調(ゴーディエ・アンサンブル、参照)。佳曲佳演。たぶん世界でどれくらいの人が聴くのだろうというくらいマイナーな曲だと思うが、偉大な曲でも何でもないけれど、自分には決してつまらなくないので妙である。マイナーな作曲家を聴くというのは、不思議な体験だ。つまらないのにつまらなくないというか。ロマン派の亜流なんだけれどもねえ。■ツェルニー:ピアノ・ソナタ第十番op.268(マーティン・ジョーンズ、参照)。こんなのでも得るところがあるから不思議。でも、マイナーな作曲家はintimateな方がいい。ツェルニーはちょっとそれとはちがう。

僕のWindows7で、スリープ状態から勝手に電源が入るのが治らない。ここを参考に調べてみたところ、原因は iCloudDrive.exe だと判明。しかしこれ、タスクスケジューラで設定できないのだよ。また Google 先生で調べてみたところ、どうも iCloudDrive を無効にするしか解決方法はないようだ。これってバグじゃね? 先日 iPad mini を買ったのが、こんなところに関係していたとは。まあ iCloudDrive は使わなくても問題ないから、いいといえばいいけれど…。メーカーは、もうちょっとマジメにやって欲しい。
iPad mini Retina だが、画面の解像度は持っているノートPCより細かいのだな。iPad mini は 2048×1536、PC は 1366×768。どうりできれいなわけだ。PCでも充分なのだけれどねえ。
仕事場には自分のPCがないので、iPad mini は本当に役に立っている。ネットも慣れてくれば充分使いやすい。最初の目的の電子書籍ビューワーとしても、じつに素晴らしい。動画なんかでも、mini でも相当の迫力ですよ。しかし、アマゾンでは殆どレビューがないのだよなあ。価格.comだと、ずっと満足度第二位なのだけれど。レビューも軒並み高評価だから、このちがいは何?
あと、iPad mini のいいところは、携帯性ですね。ちょうど、単行本を一冊もっているのとほぼ同じ感覚。そんなに大きくないバッグにも入ります。ネットもいい感じで使えるので、docomo の公衆無線LAN のサービスに入ろうか迷っている。一箇月300円だったかな。家でネットをやるにも、ベッドでゴロゴロしながらやれるというのは楽。ダメなところは、日本語入力くらい。これは使いにくい。いまだに iPad でブログを書く気がしない。それ以外は、すごすぎて驚いている。大変な時代になったなあ。

テリー・イーグルトン『文学とは何か(上)』読了。大橋洋一訳。副題「現代批評理論への招待」。これはまったくおもしろい。一気に読まされた。まず、現代批評理論の概括とその変転に関して、つまりは「チャート本」として非常に優秀である。現代の文学批評理論は難解極まりないものばかりだが、的確に要約、説明してあってとてもわかりやすい。これだけで充分「エンターテイメント」なのだが、著者が大胆に価値判断を避けていないのも楽しい。例えば著者は構造主義批評に対して悲観的というか、あんまり気に入っていないようである。もっとも、この記述で自分には、構造主義批評がどうしてあれほどの猛威を振るったのか納得されたし、本書を読んでさらに構造主義記号論に敬意を抱く気持ちを抑えられなかった。やはりあれらは画期的だったのだ。まあそのあたりは『構造と力』という、浅田彰の恐るべき名著があるので、あれを思い出すのも楽しい。下巻も期待される。翻訳も敬意を払いたい散文。

文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)

文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)