ウラジーミル・アルセーニエフ『デルスー・ウザーラ(下)』

曇。驟雨。
音楽を聴く。■バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第五番BWV1018(ムジカ・アンティククァ・ケルン、参照)。■ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調アルゲリッチアバド)。疲れていると、ドイツ音楽はダメだ。モーツァルトでも聴けない。ラヴェルなどは意外に助かる。この曲だと、特にもちろん第二楽章。■スクリャービン:八つの練習曲op.42、三つの練習曲op.65(レットベリ、参照)。op.42-5は、こんなロマンティックな曲はそうはないよね。

ウラジーミル・アルセーニエフ『デルスー・ウザーラ(下)』読了。この興味深い本を、ついに読み終えた。本書の時代に既に、デルスーのような古代からの生活様式で暮らしている人はどこでも滅びかけていたろうし、今となってはわかりきったことになっているだろう。自分はどうして、こういう存在に惹かれるのだろうな。それを回復したいと、そう願うわけではないと思うが。彼だけでなく、著者のアルセーニエフにも惹かれる。アルセーニエフはレヴィ=ストロースということはないけれど、似たようなことをやっているし、心情も似ている。我々は、高貴かつ自由に生きるということはむずかしくなったし、それは望まれることでもない。これから、世界中の人々が、ケージに入れられた鶏のように生きることになっていくのだろう。いや、それはさすがに極端かも知れないが。しかし、少なくとも日本は漸次的にそうなっていくことだろうし、それも世界でも最も早くそうなるのではなかろうか。まあ、自分が生きているうちはそうならないことを望もう。もちろん、自分の言うことが間違っていれば、それに越したことはないし。

デルスー・ウザーラ〈下〉 (河出文庫)

デルスー・ウザーラ〈下〉 (河出文庫)


Hosono Box を聴く。はっぴいえんど時代とか、ダサい音楽から来ているのだが(はっぴいえんどがダサいということではないよ)、そういうものも聴かないとダメだな。自分は本当にロックがわかりません。ビーチボーイズ経由しか聴けない。ビートルズとか、まったくわからない。アカンですな。トロピカルな細野さんとか、これは大好きなのだがなあ。
ヴァルター・ベンヤミンを読む。ベンヤミンって何がすごいのか、ちょっとわからないところもあるのだけれど。散文家? 僕は日本語でしか読めません。訳者によってかなり印象が異なる。

多くの人が政治について考えすぎだし、ネットに書きすぎだと思う。政治は大切なことではあるが、一市民の人生でいちばん大切なことではないと自分は思う。政治のことばかり考えている人は、あまり信用できない人かも知れない。まあ、他人がネット空間に何を書こうが、どうでもいいことではある。