波多野精一『基督教の起源』/松山俊太郎『綺想礼讃』

晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:ケーゲルシュタット・トリオK.498、シューマン:おとぎ話op.132(トリオ・ソレイユ、参照)。演奏は、可もなく不可もなし。■ハイドン:ピアノ協奏曲第四番、第三番、第十一番(アンスネス)。アンスネスの弾き振り。彼とハイドンとは相性がいい。初めてアンスネスがわかったような気がする。しかし、正直言って、アンスネスがかくもチャーミングに弾けるとは思っても見なかった。単なる(クソ)真面目ではないのだな。指揮もいい感じ。

Piano Concertos 3 4 & 11

Piano Concertos 3 4 & 11

ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第九番op.34、第十二番op.96「アメリカ」(ヤナーチェクQ、参照)。自分はドヴォルザークの世界に入っていくのには、かなり我慢が必要だが、一旦慣れてしまえばそう悪くもない。ヤナーチェクQは土臭い好演。「アメリカ」の終楽章は、ユーモアが感じられるところがあって、ちょっといい。■シューベルト:楽興の時(ケンプ、参照)。美しい。

久しぶりに一人で外食なので、ラーメン「Nageyari」のつけ麺を食しに行く。で、注文したはずなのだが、特製ラーメンが出てきた。あれ、食券を買い間違えたのかなと思って食っていたら、向こうのミスだったみたいで、店主が謝りにきて、お金も返金してくれた。いや、向こうは忙しいのだから、こっちもちゃんと確認しておけばよかったね。ちょっと申し訳ないところもあった。で、肝心の味はまあまあ。また行くかは微妙だな。
(しかし、はてなダイアリーのレストラン検索はどうなっているのだ? 絶対にある店がいつもちっとも出てこないぞ。)

波多野精一『基督教の起源』読了。本書は恐らくキリスト教研究としては過去のものであろうが、自分などには、まだまだ事実を教える書として役立つくらいだった。特にパウロや、第四福音書の著者については。著者三十一歳のときの著書らしく、さすがに昔の人で早熟ぶりに驚かされる。文章は明治人のもので、さすがに今の人には読みにくいかも知れないが、自分には悪い印象ではなかった。文庫化は岩波文庫以外ではあり得なかっただろうな。
基督教の起源―他1篇 (岩波文庫 青 145-1)

基督教の起源―他1篇 (岩波文庫 青 145-1)

図書館から借りてきた、松山俊太郎『綺想礼讃』読了。松山俊太郎のことは、澁澤龍彦種村季弘の近辺に出没する、何やら怪しい人物として知っていた。飛んでもない畸人らしく、それに違わず、本書を読んで呆れ返ってしまった。中に稲垣足穂との対談があるけれど、足穂とどっちがおかしいかわかったものではない、そんな対談になっている。また、細部への拘りが尋常でなくて、小栗虫太郎関係の文章のパラノイアは、凡人である自分のとても手に負えるものではなく、澁澤龍彦全集の解題などは、それに輪を掛けてモノマニアックだ。面白いと云えばこんなに面白い本は滅多にないが、凡人にはとても丁寧に通読できるようなものではなく、一部は拾い読みになったことを白状しておきたい。いや、凄かった。
綺想礼讃

綺想礼讃