晴。
音楽を聴く。■シューベルト:交響曲第九番(アバド、参照)。長い。長すぎる。シューマンのように、「天上的長さ」と評していいものか。他の演奏も聴いてみねばなるまいが。
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小川洋子『まぶた』読了。短篇集。小川洋子の幻想世界としては、比較的現実寄りの話が多いような印象だが、それでもその独自なテイストは、まったく彼女らしいものである。静謐で、どこか狂ったかのような、どこか残酷なような、そんな世界だ。断言はできないが、自分には彼女の幻想世界は、日本人だからこそ書けるようなものである気がする(もちろん、外国人にはわからないとか、そうした意味ではない)。本書では最後の短編以外、話者はすべて女性で、これも彼女の小説によく合っている。あと、これは個人的な話だが、「バックストローク」はどこかで読んだ覚えがある。どこで読んだのであろうか。それはともかく、小川洋子はカフカとすら比較してしまいたくなるほど、才能のある書き手だと確信している。小川洋子ファンゆえの勇み足だと、お笑いください。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/10/28
- メディア: 文庫
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