西村賢太『廃疾かかえて』

晴。
音楽を聴く。■バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(シフ)。自分はいつもシフの演奏を肯定するわけではないが、これは素晴らしい演奏である。グールドやペライアの演奏に比べれば多少軽量級とも云えるかも知れないが、後半などは疲れてしまうくらい密度が高い。それだけに、前半に目立つ楽譜にない装飾音や、繰り返しをオクターブ高く弾く小細工などは、かなり残念だ。いずれにせよ、聴いて損はない演奏だと思う。

Goldberg Variations/Schiff Cc

Goldberg Variations/Schiff Cc

フォーレピアノ三重奏曲op.120(フロレスタン・トリオ)。地味だけどいい曲。
Piano Trios

Piano Trios


西村賢太『廃疾かかえて』読了。うーん。そりゃ、これだけ病的に猜疑心が強い上に幼稚な性格で、しかもDVときたら、女は逃げるわな。しかし、これほどダメ男でも、そうした男は世間には他にも大勢いるだろうに、もちろん私小説の才能があるのは、やはりほんの一握りなのである。西村賢太は中卒ということだが、彼の文章は、無知な人間が迫力だけで闇雲に書いているようなものではないのではないか。藤澤清造への傾倒は云うまでもないが、他にも相当読んでいるように見える。そのあたりの事情は、彼は小説に書いているのだろうか。いずれにせよ、読んでいると居たたまれなくなってくるくらい、文章の力の強い私小説だと思う。
廃疾かかえて (新潮文庫)

廃疾かかえて (新潮文庫)


自民党都議会議員鈴木章浩(51)の不適切発言だが、少子高齢化がどうのと云うより、セクハラが問題なんじゃないの。結婚できない人がどうとか、問題が逸れている感じ。