生田耕作編訳『愛書狂』

晴。
音楽を聴く。■シューマン:謝肉祭op.9(ル・サージュ)。相変らずレヴェルの高い演奏。ル・サージュのピアノは本当にシューマンに合っている。技術も幻想も。

Piano & Chamber Music XI

Piano & Chamber Music XI

■このアルバムにも、昨晩話題にした「天使の主題による変奏曲」が収録されていることに気づいたので、聴いてみる(単に「主題と変奏」という題で収められている)。デムスよりル・サージュの方がピアニストとして上なので、ル・サージュはさすがにより説得的に弾いている。ここでも主題は魅力的。変奏も、この演奏だとさほどの違和感なく聴けるが、最後の変奏だけ取ってつけたような感じであるのは払拭できない。やはりシューマンの精神の病が出ていると云えるのかも知れない。■バッハ:ブランデンブルク協奏曲第五番(カール・リヒター)。現代楽器による、謹厳で真面目な演奏。しかし、ちょっと真面目すぎないか。第一楽章のチェンバロの長大なソロはもっとファンタジックに弾いて欲しいし、第三楽章はもっと弾むようなリズムで演奏して欲しいのだが。正直言って、素っ気なさすぎて退屈なところもある。が、その退屈は必ずしも全面的につまらないわけではないので、そこは要注意。いずれにせよ、他の曲の演奏も聴いてみて判断すべきだろう。
バッハ:ブランデンブルク協奏曲

バッハ:ブランデンブルク協奏曲

モーツァルト:ピアノ協奏曲第十七番K.453(ブレンデル、マリナー)。突然聴きたくなったので。名曲です。■シューマン交響曲第一番op.38(バーンスタインNYPO1960)。■ベートーヴェン交響曲第六番op.68「田園」(バーンスタインNYPO1963)。多少荒いところはあるが、何という生命感の充溢! クラシック音楽を聴き始めた頃の感動が蘇ってきた。若い頃のバーンスタインは、凄い音楽家だったな。ふぅ。

生田耕作編訳『愛書狂』読了。「文学の目利き」によるアンソロジーフローベールやデュマ、ノディエなどの「書痴小説」を纏めている。訳文ももちろん言う事なし。これを読んでいると、書痴ってのは飛んでもない奴らだな。自分など、とても書痴などと云えない。本が電子化されてくると、こういう人たちはいなくなるのだろうか。今や、本を読むのは圧倒的少数派だしね。まあ、そんなことはどうでもいいのだが。
愛書狂 (平凡社ライブラリー)

愛書狂 (平凡社ライブラリー)