晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:交響曲第三十六番「リンツ」(ベーム、参照)。悪い筈がないと予想していたが、その通りだった。モーツァルトの交響曲は、取り敢えずベームを聴いておけばよいのではないか。■ウェーベルン:管弦楽のための六曲op.6(ロスバウド1958)、二つの歌曲op.8、四つの歌曲op.13、カンタータ第一番op.29、カンタータ第二番op.31(ブーレーズ1956、参照)。ウェーベルンの爽快感はいったい何なのだろう。聴いていると中毒になってくる。■スクリャービン:法悦の詩(マゼール)。テンポは速めで、あっという間に終ってしまう。美しいが、あんまりエクスタシーという感じではないかな。
Piano Concerti / Poem of Ecstasy
- アーティスト: London Philharmonic Orchestra,Alexander Scriabin,Lorin Maazel,Cleveland Orchestra,Vladimir Ashkenazy,Ambrosian Singers
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
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黒島伝治『渦巻ける烏の群』読了。黒島伝治の名は、山本善行さんの選にかかるアンソロジーで初めて知った(参照)。本書は薄い本で、黒島の「農村もの」と「シベリアもの」の双方が二作づつ収められた、短篇集である。黒島伝治が今どれくらい読まれているのか、自分は知らないが、それほどポピュラーとも云えないと思う。しかし、二冊読んだ限りでは、彼は相当にいい作家だ。文章は無駄がなくて引き締まっており、散文の効果がよく計算されている上に、それなのに作り物めいたところがない。身も蓋もない言い方をすれば、「農村もの」は田舎の嫌らしさが存分に出ていて、そうなんだよと言いたくなるし、「シベリアもの」は、戦争は本当に嫌だという思いがふつふつと湧いてくる(相変らず素朴な読みですみません)。この作家は、どこかの文庫でもっと出して欲しいと思うのだが、売れませんかね。
- 作者: 黒島伝治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1953/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/10/16
- メディア: 文庫
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