ジグムント・バウマン『リキッド・モダニティを読みとく』/吉田秋生『海街diary1蝉時雨のやむ頃』

休日。雨。
ものすごく眠る。
心はほんの少しピースがずれているだけで、飛んでもなく極端に振れてしまうことがある。むずかしいな。
昼から、ネッツトヨタでバンパーの交換。しかし、ゴールデンウィークなのに出勤とは、サービス業は大変です。
音楽を聴く。■レーガー:弦楽四重奏曲op.54-2、トリオop.77b(マンハイムSQ)。レーガーは確かに退屈なのだが、その退屈さが意外とおもしろい。もう少し聴いてみるかな。■ストラヴィンスキー春の祭典ゲルギエフ)。ゲルギエフは、通俗曲をいかにも通俗的に演奏する指揮者のように思ってきたが、この演奏もまたそうである。まるで、CGたっぷりのハリウッド映画の音楽のようだ。カップリングの「法悦の詩」は通俗曲とは云えないので、聴くのが楽しみ。しかし、「春の祭典」ってこんな曲だったのかねえ。ゲルギエフが正しければ、好んでこの曲を聴く理由はないような気がする。

ストラヴィンスキー:春の祭典/スクリャービン:法悦の詩

ストラヴィンスキー:春の祭典/スクリャービン:法悦の詩

スクリャービン:法悦の詩op.54(ゲルギエフ)。聴いてみました。弦があっさり目で、金管が鳴りすぎる。ゲルギエフは何かと勘違いしているのか。■コープランド交響曲第三番(バーンスタインNYPO1966)。ニューヨーク・フィル(超一流のオーケストラではない)のときのバーンスタインは、本当におもしろい。色々云われたが、バーンスタインカラヤンに匹敵する指揮者は、今ではひとりもいないな。いまや、指揮者の器が小さくなったのは確か。

ジグムント・バウマン『リキッド・モダニティを読みとく』読了。著者は文庫の紹介によれば「現代社会学界を代表する理論家」だそうだが、自分には慨世家に見える。世の中は大問題に溢れているとしても、そんなに憂えてみせなくともいいのに。かしこいのだろうが、新聞などによくあるパターンで、ちょっとウンザリさせられる。自分も同じようなことをやりがちなので、気をつけよう。桑原桑原。
リキッド・モダニティを読みとく: 液状化した現代世界からの44通の手紙 (ちくま学芸文庫)

リキッド・モダニティを読みとく: 液状化した現代世界からの44通の手紙 (ちくま学芸文庫)

吉田秋生海街diary1蝉時雨のやむ頃』読了。これはいい! 続きが読みたいな。吉田秋生を読むのは久しぶりだ。
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

しかし、このような優れたマンガを読むと、マンガ独特のドラマトゥルギーというものを思わずにはいないな。例えば仮に自分の過去をマンガ的にドラマタイズすれば、きっと自分で感じていたような流れにならないと思う。あまりに決まりすぎたり、あるいは情けなかったり、ドラマティックになりすぎるのではないか。例えば恋愛でも、多くの人がマンガのような恋愛をしてみたいと思うにちがいない。しかし、現実は根本的にパースペクティヴがマンガとはちがうので、「どうして自分はマンガのような恋愛ができないのだろう」などと、思い悩む人が少なくないような気がする。でなければ、マンガの一場面のように生きてみたいとか。あ、キャラ化ってそういうことなのかな? 人生マンガ化。

妹一家帰る。
中沢新一『鳥の仏教』を読んで寝る。