消滅集落と極点社会 & 若い女性の都会への大流出〜少子高齢化の果てに

本日のNHKの「クローズアップ現代」で、恐ろしいレポートを見てしまった。何かって、近年日本の地方では、高齢者の数が減っているのだという。え、少子高齢化で老人は増えるのじゃないのと思う人もいるかも知れないが、それは都会の話で、田舎では老人が死んだりすることにより、「限界集落」から「消滅集落」に替っているというのだ。そうなると、老人の年金にいわば頼ってきた田舎の経済も、崩壊してしまう。例えば、田舎では高齢者向けの養護施設に定員の空きが増えてきており、経営的に成り立たなくなりつつある施設もあるという話だった。
 それとリンクしているのが、地方在住の若い女性たちが、田舎から都会へ大きく流出していっているというトレンドである。これは近年顕著らしく、その理由は、これまで若い女性が田舎で働く場所は医療・介護の職種だったのだが、上記の「消滅集落」化で、働く場所がなくなってきているからだという(もっとも、理由はそれだけではないだろう。田舎は、若い女性が居て楽しい場所ではない)。以上から、これからの日本は、都市に人口が集中し、田舎が消滅する、「極点社会」になるという。
 その都会でも、若い女性たちは結婚しない。都会では現在、二〇〜四〇歳の女性の四割以上が未婚だという(男性のデータは出ていなかったが、もちろんそれ以上だろう)。出生率はだいたい1くらい。テレビに出ていた女性は、未婚の原因として、「出会いがない」と言っていた。どうして男も女も未婚なのに、出会いがないのか、不思議に思われる世代もあるだろうが、自分にはよくわかる。男も女も相手を選んでいて、「こんな相手なら独身の方がマシ」という発想になっているのだ。日本没落。このままなら不可避ですね。
 それから、本日付朝日新聞の夕刊(名古屋本社版)に、大学生で一日の読書時間が0というのが、全体の四割だとあったが、いまさら何だという感じである。僕はもう驚きません。古本は売れず、早稲田の古書店街も、二〇年前に比べ、五分の二の古書店が廃業したという。岡崎武志さんのブログに、萩原朔太郎の全集が1500円で売っているという話があったが、そんなもんです。だいたい、僕が学生の時ですら、まわりに本を読む奴はほとんどいなかったのだ。