矢野久美子『ハンナ・アーレント』

晴。
よく寝た。
音楽を聴く。■レーガー:ヴァイオリン・ソナタ第五番op.84(ヴァーリン、ペンティネン)。Wikipedia

Complete Violin Sonatas 1

Complete Violin Sonatas 1

モーツァルト交響曲第三十五番「ハフナー」、第三十二番(カラヤン1976)。「ハフナー」は速めのテンポの、スマートな演奏。カラヤンとしては意外な、第三十二番がおもしろい。■レスピーギ:ローマの祭(エンリケ・バティス)。派手な曲だな。ラストはすごい迫力。
レスピーギ:ローマ三部作

レスピーギ:ローマ三部作


矢野久美子『ハンナ・アーレント』読了。アーレントの小伝。前からアーレントは気になる存在だったが、本書を読んで色々考えさせられた。一番思ったのは、知識人という存在である。知識人とはヨーロッパの産物であるが、自分にはとても不可思議な存在に思える。彼らは第一原理に従って行動することを当然だとし、それが得られていなければ、何とかして獲得しようとする人たちだ。それが彼らにとっての「思想」なのだと思う。そうでない人々は、本質的に彼ら彼女らの「盟友」ではあり得ない。自分は以前から思っているのだが、西洋人にとっては、論証的な「真理」というものは絶対なのだ。だから繰り返し、「真理とは何か」ということが問われ続けるのである。あるいは、「理解する」ということ。アーレントにとっての第一原理は、これであった。
 本書に以上のようなことが書いてあるわけではない。本書はアーレントの小伝として、コンパクトに纏っている。例えばハイデガーとの関係にあまり多くを割かず、バランスよく書くことを旨としているように思えた。読んで損はない本であろう。個人的には、もっとアーレントを読んでみようと思った。