こともなし

晴。
音楽を聴く。■リヒテル晩年の、ベートーヴェン・リサイタルを聴く。曲はピアノ・ソナタ第十九番、第二十番、第二十二番、第二十三番「熱情」(1992)。最初の三曲は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中ではマイナーで、小さな曲であるが、まあなんとも見事な演奏であることよ。往々にして少々詰まらぬ曲たちなのだけれども、リヒテルは誇張もなく有りのままに弾いて、間然とするところがない。やはりベートーヴェンの曲で、おもしろいのである。何という曲の把握力であるか。「熱情」はリヒテルお得意の曲で、若い頃から散々弾いてきて、ライブ録音も何種類も出ているものである。さすがに全盛期の演奏とは同列に語れないが、詰まらぬ演奏だと思ったら大間違いだ。これもまた、最高の芸術のひとつであることは疑いない。予想されるとおり、第二楽章の深さは云うまでもないし、終楽章はここではめちゃくちゃなテンポで弾かれることはなく、極めて音楽的である。褒めすぎですかね。でも、そう聞こえるのだから仕方がない。こういうベートーヴェンが弾けるピアニストは、現代にはもうひとりもいない。

Richter: The Master 1 - Beethoven Sonatas

Richter: The Master 1 - Beethoven Sonatas

ショパンノクターン第一番〜第十番op.9, op.15, op.27, op.32(ピリス)。かなりいい。とりあえずショパンノクターンと云うとき、推奨できるレヴェル。
ショパン:夜想曲全集

ショパン:夜想曲全集


早寝。