ロジャー・ペンローズ『宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか』

曇。
音楽を聴く。■ドヴォルザーク:ロマンティックな小品集op.75、ソナチネop.100 (シャハム、参照)。メロディアス。■ショスタコーヴィチ交響曲第一番(チェリビダッケ)。悪くないが、チェリビダッケは若い頃とはだいぶちがう。やはり晩年は、エネルギーが衰えているようだ。

French and Russian Music

French and Russian Music

コープランド:オルガンと交響楽のための交響曲バーンスタインNYPO)。若い頃のバーンスタインがわかってきた。この曲は野蛮でガサツな(というのは貶してるのではない。面白い!)曲だが、こういうのでも生理的快感がある。聴いていて不思議と気持ちがいいのだ。バーンスタインがこういう風だとは、通念(と自分が思っていたもの)からすれば意外だった。もっと聴こう。■ラヴェルマ・メール・ロワアルゲリッチ、モギレフスキー2007Live、参照)。ピアノ連弾のためのシンプルな曲で、自分は大好きだ。管弦楽版もあるが、こういう魔術的な演奏で聴くと、ラヴェルの職人芸の見事さを痛感する。何という色彩感!■ドホナーニ:ピアノ五重奏曲第一番(アンゲリッシュ、シュヴァルツベルク、ホール、ロマノフ=シュヴァルツベルク、ボッソ2007Live)。これが佳い曲であることを示す好演。室内楽の楽しみを堪能させてくれる。これは拾い物だ。■ルトスワフスキパガニーニの主題による変奏曲(アルゲリッチ、ヴァリーナ2007Live)。■ラヴェルマ・メール・ロワブーレーズ1993、参照)。管弦楽版は、ピアノ連弾版とは別の曲と思ったほうがいいな。しかし、何とメルヘンチックな! ブーレーズの音楽作りは完璧。

ラーメン「まっしぐら」にて昼食。半チャンセット780円。
ロジャー・ペンローズ『宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか』読了。竹内薫訳。ペンローズは知る人ぞ知る天才物理学者で、しかも竹内薫さんの訳とあっては、読まずにはいられない。しかし、これ本当に、一般向けの本なのですか。宇宙の終わり(ビッグ・クランチ)と宇宙の始まり(ビッグ・バン)が同じだという、著者の仮説(共形サイクリック宇宙論)を述べたもので、じつにむずかしい。むずかしすぎる。一般相対性理論量子力学(場の量子論)に精通していることを求められるが、物理を専攻している学生でも、どれだけが本書の内容を理解できるだろうか。数式なしでとあるが(巻末にまとめてある)、数式がなかったところで、どれほど容易になっているかは疑問である。まあ、自分はわけのわからない本を読むのが大好きなので、問題はなかったけれど、半分も理解できなかったようだ。我こそはという人は、是非挑戦して頂きたい。
宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか

宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか


音楽を聴く。■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第二番op.100(デュメイ、ピリス、参照)。なかなかいい。■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第十二番op.26(リヒテル1959)。■シューマン:ピアノ協奏曲イ短調op.54(アルゲリッチアーノンクール)。これ以上ロマンティックな演奏はないだろう。終楽章を聴いていて、「天使」の住まう空間がわかったような気がする。それはすべての芸術の母体である。
シューマン:ピアノ協奏曲&ヴァイオリン協奏曲

シューマン:ピアノ協奏曲&ヴァイオリン協奏曲