曇。
アンスネスのシューマン・アルバムを聴く。ピアノ・ソナタ第一番と幻想曲とは、ポリーニのディスクと同じ選曲、演奏順も同じである。意図的なものかなと思った。で、どうであったかだが、じつに立派に弾かれていると思う。気持ちもちゃんと込めていると思うのだけれども、結論から云うと、自分はまったく心が動かなかった。立派に演奏されていることはわかるが、気持ちが動かないのはどうしようもない。もちろんピアニストが悪いと云うつもりはなく、相性が悪いとはこのことだろう。特に幻想曲ハ長調は、思いつくだけでもペライア、ポリーニ、アルゲリッチ、リヒテル、アラウなど、名演がたちまち思い浮かぶのだが、ここまで感動できないというのも奇妙なことだ。どうしてこうなのかわからない。自分でも理不尽な思いで聴いていた。
Piano Sonata 1 / Fantasie in C
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玄侑宗久『さすらいの仏教語』読了。日常生活で使われている言葉に、仏教由来のものが多くあるが、そういう言葉を廻るエッセイ集とでも云うか。まあ、玄侑師のことだから、何をお書きになってもいいのである。本当のことを云うと、玄侑師はじつに徳の高いお坊さんなのだが、現代人には(嘆かわしいことに、と云っておく)どこかそうなのか、なかなかわからないだろう。現代の偉い僧侶は、寒いギャグを飛ばしながら、一見どうでもいいことを朗らかに語るものなのだが、わかるかなあ。現代人のこの体たらくは、今後益々強化されることだろう。まあ、なるようにしかならぬの。
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- 発売日: 2014/01/24
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