ショー『ピグマリオン』/穂村弘『もしもし、運命の人ですか。』

晴。
バーナード・ショーピグマリオン』読了。「マイ・フェア・レディ」の原作ということだが、結末はだいぶちがうらしい。本書では、最後は決してハッピー・エンドとは云えないのだ。イライザがヒギンズを拒み、それでヒギンズも改悛などしないのは、わさびの利いたラストだと云えよう。ハッピー・エンドにしておけば、よくできたいい話で、一般受けするであろうし、だから「マイ・フェア・レディ」は、映画でもミュージカルでも人気なわけだ。しかし、他にもショーは読んでみたくなったね。もっと古典新訳文庫で入れてくれないだろうか。

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)

穂村弘『もしもし、運命の人ですか。』読了。相変らずおもしろいので、クックックと笑いを噛み殺しながら読んでいたのだが、そのうち何だか恐ろしいような気になってきた。本書は、自意識過剰な天才・穂村さんの恋愛エッセイである。あんまり自意識過剰で、そこが笑えるのだが、しかしこんなに恋愛ってやつを解剖していいんですか。それに穂村さん、四〇を超えているのに、可愛すぎてちょっとキモいんですけど。女性はこういうところにヤラれるのか。恐るべし。自分には何の参考にもならない。
もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)


音楽を聴く。■オネゲル:私は忠実な恋人だったH.74、ロンサールの歌H.54、小さな人魚H.63。