晴。
昨晩は、モースを読みながら寝てしまった。今、どうも読めないな。寝過ぎだし。
県営プール。
音楽を聴く。■モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第四十三番K.547(ムター、オーキス)。何と愛らしい! 特に終楽章の主題と変奏では、思わず胸がいっぱいになってしまった。モーツァルト最後のヴァイオリン・ソナタであり、最後にこれほど晴朗な境地に至っていたのかと思う。
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エドワード・S・モース『日本その日その日』読了。モースはあの大森貝塚を発見したまさにその人であり、腕足類の研究のため、明治初期に日本を訪れたアメリカ人である。東京帝国大学でも教鞭を執った。本書は日本滞在時に書き留めた日記を元に、日本の印象を纏めたものである。モースは積極的に日本を歩き回っていて、特に日本の民衆の美質を高く評価しているのは、こちらが面食らってしまう程だ。まあ、日本人の美点もあったろうが、皆モースの善良な人柄を直ちに察して、彼によくしたというところもあるのではないか。モースの判断力は健康的なものであり、性格はポジティブだったことが文章から窺えるのである。正直言って、本書を読んでいて、過去の日本人と現代の日本人をどうしても比較せざるを得なかったが、紋切型のことを云いそうなので、やめておく。確かに、日本人は変った。しかし、またこれからも変わるだろう。当然のことである。そうそう、渡辺京二氏の『逝きし世の面影』も(持ってはいるのだが)読んでみねばなるまい。
なお、本書は抜粋版であり、全文は平凡社の東洋文庫に入っているらしい。翻訳はかなり前のもので、古風な語が使われていたり、多少直訳調ではあるが、別に原文を辱めるようなものではないと思う。
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音楽を聴く。■モーツァルト:レジーナ・チェリK.127、小ミサK.194、アレグロとアンダンテK.608、小ミサK.275(ルーカス)。初めて聴く曲ばかりだが、どれもとても美しい宗教曲だ。まったくモーツァルトはすごい。K.608 は、元々は自動オルガンのための曲。ここではちゃんとオルガン奏者が弾いている。
Missa Brevis in D Majo Missa Brevis in B Major Reg
- アーティスト: W.A. Mozart
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朝日新聞(名古屋本社版)で、悪質な反・反増税キャンペーンをやっているのには呆れる。藻谷浩介など、好景気による税収の自然増加では、財政の悪化を食い止められないとして、消費増税を正当化するために意味のない数字まで出してきているが、こいつは本当にリフレ派の言っていることがわかっていない。リフレ派だって、財政状況が厳しいのはわかっている。このままにしておけば(つまり、野放図に増えた歳出を減らさないかぎり)、税収の自然増加だけでは厳しいのは当然である。問題は、消費増税をすれば、景気の悪化により、足りない税収増どころか、税収減になる可能性が高いということだ(過去に消費税を5%に上げたとき、実際に税収は減っている)。これでどうやって財政の悪化を食い止めるのだ。他人の意見はきちんと理解して、その上で反論せよ。朝日新聞の論説委員も二人も出てきて、さらに寝言を言っているのは犯罪的である。アホくさ。
しかし、持て囃されている論客がこうなのだから、「論壇」では学問的な論争など、日本では夢のまた夢である。論破するなら、きちんと相手の意見を理解して、論理的にやって欲しい。
それにしても、消費増税は既に決っているのに、どうしてこんなプロパガンダをやるのか。それは、薄々自分たちの意見の愚かしさに気づいているからではないのか。いずれにせよ、バカらしい話である。もちろん僕だって、今の財政状況を放置していていいとはまったく思わない。ところで、今の話だが、景気の悪化による税収減以外に、どうしてこれほど税収が減ってしまったか、御存知であろうか。案外知られていないが、それは、累進課税の緩和と法人税減税によるものである。つまり、金持ちに対して減税したのだ。これは相当な額で、こんなことをしていれば、税収は減るに決っている。そうしないと、金持ちや企業が日本から逃げていく、というのがその理由だが、そういう奴らは、別に減税しようがしまいが、日本から出て行くのである。だって、税金0の国もあるから、こんなのどれほど減税しようが、敵うはずがない。
また、どうしてこんなに歳出が増えてしまったのか。昔はシーリングがあったし、自民党の政治家は歳出の削減のことはきちんと考えていたのだが、民主党政権が確実になったとき、自民党の箍が外れてしまった。そして民主党は、さらに野放図な歳出増をやってしまった。ということらしい。