佐藤良明、柴田元幸『佐藤君と柴田君の逆襲!!』/養老孟司『死の壁』

曇。
音楽を聴く。■オネゲル:ヴァイオリン・ソナタ第一番、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタH.143。フォーレの影響を受けているようにも聞こえる。でも、おもしろい。オネゲルは最近の当たりだな。

オネゲル:室内楽作品集[4枚組]

オネゲル:室内楽作品集[4枚組]


図書館から借りてきた、佐藤良明と柴田元幸の共著『佐藤君と柴田君の逆襲!!』読了。おっさんたち、ロックしてるねえ。ところで、自分は囂囂たる非難を浴びて当然なことに、ロックというものがどうもわからない。ビートルズがわからない。(なぜか、ビーチボーイズだけは好き。)でも、本書はおもしろう御座いました。高学歴な先生方でも、さばけております。
佐藤君と柴田君の逆襲!!

佐藤君と柴田君の逆襲!!

養老孟司死の壁』読了。現代人は「死」を身近なところから遠ざけているということで、「死」について語ってみせている。随分とめちゃくちゃなことも言っておられるが、別に問題はない。自分に得るところはあまりなかったが、皆が本書を読むのは大賛成だ。そう、「安楽死」というと、安楽死させられる(患者の)ことが主に語られるが、養老先生はそれを判断する医者のことが気になっていて、いくら法律で合法とされようが、安楽死をさせた医者は、平静な気分ではいられないだろうというのは、確かにそうだろうと思った。医者の方がPTSDになったって不思議はないし、逆に迷いなく安楽死させられるような医者は、却って問題があるだろうと。
 それから養老先生は、「どうして人を殺してはいけないのか」という問題に対し、「殺したら元に戻せないだろう」と仰っているが、これはちょっと賛成できかねる。「別に元に戻す必要なんてないじゃん」と屁理屈を云われれば、それはやはり成立してしまうだろうから。人を殺してはいけないというのは、当り前のことである。理由などはないのである。ダメなものはダメなのだ。自分はそうだと思っている。同じような問題で、どうして戦争はいけないのかというのがあるが、これも理由はない。戦争に反対するのに理由は必要ない。ダメだからダメなのだ。
 しかし、いずれにせよ、自分は養老先生を信用している。この人は今どきめずらしい、精神の野蛮人だ。コセコセしていなくて、人のいいにくいことを言う。養老先生の本は、皆さん読むべし。
死の壁 (新潮新書)

死の壁 (新潮新書)