シャイーの指揮するベートーヴェンを聴き始める。最初は交響曲第三番「英雄」。聴き始めて直ぐ、これはマーラーの時のような相性の良さはないことがわかる。まず、全体的にテンポが速い。印象としては、爽やかなベートーヴェンで、とても表現主義的だ。これはマーラーに相応しいアプローチで、ベートーヴェンだとどこかせわしなく聞こえてしまうのも事実である。しかし、つまらないかと云われると、そう断言し切るのもどうかとも思うが。ただ、ベートーヴェンはイン・テンポで元気に演奏すればいいというものではなくて、本当は(誤解を招くかも知れないが)大人のための音楽で、フルトヴェングラーなどを聴けばわかるように、超カッコいい筈なのだ。
しかし、この曲から聴き始めたのは、意地悪だったかも知れない。エロイカ交響曲は、ベートーヴェンの交響曲の中でも第一の傑作であり、それはベートーヴェン本人も認めているようなものだった。実力者中の実力者しか、上手く演奏できない曲だと云っても過言ではないかも知れないから。まだまだ、シャイーのベートーヴェンは聴きますよ。
※追記 検索してみると、皆さん絶賛ですな。しかしまあ、評を読んでいると、言いたいことはわかる。一口で言うと、「新時代の、都会的センスの演奏」ということだろうか。確かにそう云えるだろう。ところでこの全集、ティーレマンのそれと重なって発売されたようで、色々比較されたらしい。ほう、ちょっとティーレマン(これまではいいと思ったことがない)も聴いてみたいな。
- アーティスト: シャイー(リッカルド),ベラノーヴァ(カテリーナ),パーシキヴィ(リリ),スミス(ロバート・ディーン),ミュラー=ブラッハマン(ハンノ),ベートーヴェン,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2011/11/02
- メディア: CD
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