テツオ・ナジタ『明治維新の遺産』/浅田彰『構造と力』再読

曇。
テツオ・ナジタ『明治維新の遺産』読了。かなり古い本である(原著1974年)。本書の記述は大変に入り組んだものであり、自分には統一した標語は与えにくいように思った。果して訳者の云うとおり、本書が「官僚的合理主義」と「維新主義」の対立という図式で切れるのか、自分にはよくわからない。ただ、日本の官僚組織のあり方を徳川期にまで遡って記述していることは、本書の特徴のひとつであろう。本書は「昭和維新」にまで射程が及ぶが、それには明治維新ほどの価値を、本書では与えられておらない。個人的には本書に拠って、自分の歴史的・社会学的知識の欠落を大いに埋めるところがあったとは、述べておこう。とにかく、かなり専門的な歴史書である。

明治維新の遺産 (講談社学術文庫)

明治維新の遺産 (講談社学術文庫)


闇の中の白い爆発。
浅田彰『構造と力』を読み返す。まさに古典というべき書物。文庫化するなら、岩波文庫しかあるまい。
構造と力―記号論を超えて

構造と力―記号論を超えて