晴。
ジェリー・ブロトン『はじめてわかるルネサンス』読了。小冊子だが、現代的な観点からルネサンスを見ている。ここでは、ブルクハルト以来の美術・芸術中心のルネサンス像は(不当なまでに)一新されている。人間の開放というルネサンスの意義は忘れられてはいないが、経済的・政治的な側面が大いに強調されているのが目を引く。本書ではルネサンスの範囲は広く採られ、宗教改革や反(対抗)宗教改革、大航海時代からシェイクスピアまでを含む。本書を読むと、とりわけ印刷技術の普及が世界を大きく変えたことが納得される。それはもちろん、聖書の印刷をとおして宗教改革を推し進めたし、また、地図(世界地図)の出版は、大航海時代へ進む歴史を後押ししたのだった。簡潔で印象深い、ルネサンス入門書だと云えようか。
- 作者: ジェリーブロトン,高山芳樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/09
- メディア: 文庫
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- 作者: 中見真理
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/07/20
- メディア: 新書
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