クロソウスキー『バフォメット』/諏訪哲史『スワ氏文集』

晴。
音楽を聴く。■シューマン:ピアノ四重奏曲op.47(グールド、ジュリアードSQ)。ジュリアード四重奏団のたっぷりとした響きが曲にぴったりで、素晴らしい。グールドはミスマッチだと云えばそうなのだが、演奏を引き締めていて、怪我の功名(?)である。全体として、やはり得がたい名演だ。

図書館から借りてきた、ピエール・クロソウスキー『バフォメット』読了。小島俊明訳。背徳の傑作幻想小説。僕ごときが本書について何か語るというのは、止めておこう。訳者解説には教えられたし、また巻末の浅田彰氏による、ドゥルーズに絡めた小文がとても刺激的だった。格好いいねえ。本訳書の刊行は一九八五年のことだが、浅田さん、こういう仕事はもうやらないのかな。

バフォメット

バフォメット

図書館から借りてきた、諏訪哲史『スワ氏文集』読了。朝日新聞名古屋版に連載されてるコラムを、単行本化したもの。下らないのだが笑える、っていいよね。ただ、あんまりご当地ネタが多くて、岐阜県在住の自分などは、それで笑わされてしまうのも多いのだが(「デーレ・エーレーゲー*1の研究」!)、他地方の人にわかるかは微妙だな。まあ、ちょっとぎこちないところもあるのだが、下らないことに全力を尽くすというのはいい。『アサッテの人』の著者らしく、言葉に拘っているというのも著者らしい。コラムの方はこれからも読みますよ。
スワ氏文集

スワ氏文集

*1:岐阜弁。標準語だと「とても疲れています」の意。わかるかなー。