濱田恂子『入門 近代日本思想史』/東浩紀対談集『震災ニッポンはどこへいく』

晴。
濱田恂子『入門 近代日本思想史』読了。内容は題名どおりと云えばそうなのだが、取り上げられているのは、明治の幾人は除き、ほとんどがいわゆる「講壇哲学者」であり、在野の思想家は無視されている。中身も、思想家の著作からの摘録と、凡庸なまとめに過ぎない。本書で取り上げられた著作は、既に個人的に読んだものも少なくなかったのだが、かつて読んだ内容が立ち上がってくることは一切なかった。本書を読むと、日本の近代思想はいかにも中身がなく、つまらないように感じてしまっても、仕方がないのではないか。しかし、事実はそうでない。西田幾多郎にせよ、こんなつまらない哲学者では毛頭ないのだ。

入門 近代日本思想史 (ちくま学芸文庫)

入門 近代日本思想史 (ちくま学芸文庫)


東浩紀対談集『震災ニッポンはどこへいく』読了。仕事場で読み、寝る前に読みで、一気に読み終えた。東さんには敵わないなあと痛感して、自分などは有象無象の一員だなと思わされたが、やはり自分より若い優秀な人が、こういう大切な仕事をやってくれているのを知ると、雑魚ながら感謝したくなる。正直言って、自分はここまで社会のために考えられない。one of them ながら、大したことは殆ど出来まいが、自分にやれることくらいはぼちぼちやれたらと思わされた。