務台理作『哲学十話』

晴。
務台理作『哲学十話』読了。著者は西田幾多郎門下の哲学者で、自分は初めて読んだ。なかなか面白かったですね。本書は哲学的エッセー集とでも云うようなもので、著者の晩年の哲学を比較的わかりやすく説いている。著者は自分のことを「田舎者」だといい、自分の哲学もそれに相応しいものだということを述べているが、大変に真摯なものだ。直ちに高みに駆け上がってしまう形而上学ではなく、すべての人間が共通にもつ日常的なものの立場から、哲学を考えようとしている。泥臭いものではあるが、悪くない。
 しかし著者の本、今では読まれていないのだなあ。アマゾンでの古書価が安い。

哲学十話 (講談社学術文庫 42)

哲学十話 (講談社学術文庫 42)


ビル・エヴァンスを聴く。グレン・グールドが、ビル・エヴァンススクリャービンに擬えたことが思い出される。
Waltz for Debby

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