網野善彦『歴史を考えるヒント』/カロッサ『指導と信従』

晴。
ラーメン「麺丸」にて昼食。まぜそば(追い飯付き)700円。こってりの極み。人によるだろうが、自分には、うまい。後で胃が凭れるくらい。満足。
三時間ほどかけて、読んだ本の整理。新書が増えたので、何とか収納スペースを作る。

網野善彦『歴史を考えるヒント』読了。著者の主張が、コンパクトな形で纏められている。この本から、網野善彦の世界に入っていってもいいのではないか。それにしても、やはり網野善彦は大きな存在だったし、今でもそうあるべきだろう。歴史家というのは、賛否はともかく、現代人にものを考えさせねばダメなのではないか。網野氏はそういう歴史家だったし、今でもそうありつづけている。

歴史を考えるヒント (新潮文庫)

歴史を考えるヒント (新潮文庫)

カロッサ『指導と信従』読了。国松孝二訳。カロッサって実のところあまり重要な作家だとは思っていなかったのだが、不明を恥じる。作品の数は少ないし、地味で真面目という印象があるけれど、叙情的で粘り強い、第一級の作家ではないか。独特の深みがあり、何て云ったらいいのか、凡庸な評語だけれど、「詩人」の感性を持つ作家とでも云いたい。ここで「詩人」というのは、深いところから言葉を汲み上げてくる人、とでもいう意味である。地下に鉱脈を持っているのだ。
 『指導と信従』とあるが、本書はいわば自伝的回想である。リルケとの出会いも印象的だが、軍医として戦争に出るところが読ませた。これは積ん読の『ルーマニア日記』も読まねばなるまいな。
指導と信従 (岩波文庫)

指導と信従 (岩波文庫)