吉見俊哉『夢の原子力』/谷川俊太郎『ONCE』

晴。
銀行。
吉見俊哉『夢の原子力』読了。面白い。冷戦といわゆる「原子力の平和利用」のプロパガンダなどを考察している。しかし、第二次世界大戦後の世界において、どうしてここまで「原子力の平和利用」というイデオロギーに、これほど世界中がほとんど「熱狂」したのか、本書の優れた考察を読んでもなお、わからない感じが残る。「電力」ということだけでは、ちょっと説明しがたいのではないか。「進歩」というこれまたイデオロギーが、徹底的にポジティヴなイメージを持っていたからだろうか。まさしく、「夢の原子力」。
 ゴジラ鉄腕アトム、『風の谷のナウシカ』や『AKIRA』などの、核のサブカルチャーにおける表象の歴史も興味深い。核に対して、一応肯定・否定の両面があるが、直截的な否定はないのである。
 また、日本における核に関して、当然のことだが、アメリカとの関係の重要性。

夢の原子力―Atoms for Dream (ちくま新書)

夢の原子力―Atoms for Dream (ちくま新書)

谷川俊太郎『ONCE』読了。現代の詩人の中で、みんな谷川俊太郎のことは知っているだろうけれども、きちんと読んだことのある人は、どれくらいいいるのだろう。そんなに簡単な詩人じゃないですよ。
ONCE ―ワンス―私の20歳代 (集英社文庫)

ONCE ―ワンス―私の20歳代 (集英社文庫)


「オール・バロック・ボックス」を聴く。テレマンとかバッハとか。