消費増税法案可決と新聞について、雑感

消費増税法案が参議院でも可決された。まあ、阿呆くさいことではあるが、それはわかっていたことである。が、今朝の朝日新聞朝刊(名古屋本社版)を読んでいて、我が目を疑った。社説は相変わらず増税賛成で、可決はよかったというものであるが、解説記事との整合性がまったく取れていないのである。ほぼ四ページを使って、増税のデメリットをこれでもかと指摘してあるのには、唖然とした。「伸びぬ税収 歳出拡大」と題して、増税しても税収が増えない可能性に言及し、一九九七年に消費税率が3%から5%に引き上げられたとき、一旦2兆円の税収増になっただけで、あとは九七年の税収を超えていないことが明記されている。これはまったくその通りであり、今度のも景気を悪化させ、税収がおそらく増えないことは、飯田泰之先生の発言まで引用してある。
 家計への負担であるが、年収500万円の世帯で、年間33万円もの負担増になると試算されることも、明記してある。さらに、地方では所得格差により、中央よりもきびしくなることも指摘してある。社会保障の充実は限定的。買い控えで景気悪化。低所得者対策は先送り。すべてきちんと指摘されている。さらに、所得が低いほど家計に負担がいくことも。
 はっきりいう。ここまでわかっているのなら、どうしてこれを、消費増税法案が可決される前に書かなかったのか。これは詐欺ではないか。どうしてこんなことを今更書くのか。
 書いた方がまだマシなのだろうか。仕事場で岐阜新聞にも目を通したが、こちらは可決よくやったという論調で、将来は税率を10%以上に上げるべきだとまであった。アホである。笑えるのは消費増税で地方への配分金が増えるという記事があることで、もちろんこれは完全に公約違反であるが、岐阜新聞は気づいていないらしい。まあ主張にブレはないわけで、まったく、朝日新聞とどちらがマシなのか、わからなくなってくる。いずれにせよ、どこかに希望というものは、あるのだろうか。知らんわ。