こともなし

雨。
うーむ、調子悪いです。これはちょっと尾を引きそう。

実力者の演奏が聴きたくなり、クラウディオ・アラウのピアノ、ジュリーニの指揮フィルハーモニア管の演奏で、ブラームスのピアノ協奏曲第一番を聴く。もちろんアラウもジュリーニも実力者で、安心して聴ける名演だ。アラウのピアノは技術的にも迫力もいうことがなく、かなりテンポのゆらぎを見せながらじっくり聴かせる。録音が古く、アラウの音はもっと美しい筈で、そこは残念だが、それでも終楽章のカデンツァなどは、その美しさに感動させられる。
 この曲は、前にも何度も書いてきたと思うが、個人的には、誰からも褒められない、ポリーニの最初の録音(ベームとの共演)が絶対的な偏愛の対象だ。ポリーニの凄まじいピアノは殆ど悲劇的で、ぎりぎりの緊張感を保ちながら、機械的とは正反対の演奏を繰り広げている。
 それに比べれば、この演奏は余裕があって、名人芸もあるし、ど迫力もあるし、じっくり聴かせるところもあるし、普通に弾いているのだろうが水準を抜いている。まさしく巨匠の演奏だ。云っても詮ないことだが、今ではこうした演奏は本当に聴かれなくなってしまった。

Brahms: Piano Concertos Nos. 1 & 2

Brahms: Piano Concertos Nos. 1 & 2


何というすごさ… こんなに簡単そうに作ってしまっている。やはり日本はモノ作り?
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